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同じ時代を生きていく

特定の音楽を聴かない私にとって、宇多田ヒカルだけは特別な存在。推しなんて言葉を使うのも憚られるほどの有名アーティストだけど、デビューからずっと宇多田ヒカルの後ろを追いかけている。同じ時代を生きて、お互いにライフスタイルを変えて行っているからこそ感じるのかもしれない。

「最後のキスはタバコのFlavor がした」なんて経験は、眉毛ゲジゲジで野山をリアルに駆け回っている小学生のときに聞いた私の衝撃はいかほどだったのかを鮮明に思い出す。マンガとドラマが恋愛のリアルだと思っていた子供に、なんとも大人なシーン。少し年齢が上でインターナショナルスクールに通っているだけで、そんなにも経験が違うものなのか。初めて、差というものを感じた。

遠藤周作の「深い河」からインスパイアされた、DEEP RIVER。彼女と同じ本を読んでいたけれど、考えを歌に、歌詞に載せられることに嫉妬して羨ましさを覚えた。音楽を聞いて本を読み、思いを馳せる。これほどエキサイティングな読書会はないんじゃないだろうか。

きっと婚約時代に作った「光」。あんな幸せいっぱいの曲を聞いて、ふわふわしない人なんてきっといないんじゃないかな。彼女よりも遅れて結婚を決めた私にも、その思いは共感できて、あんな歌を素直に歌える彼女はとても幸せだったんだろうと思う。

いま、いろんな経験をしてした彼女だからこそ歌える「Play a love song」。親と自分の精神年齢が同じになったとき、自分たちはこれからも成長するって語りかけるシーンが好き。わかるよ、その気持ち。そして、その虚無感に引きずられずに、一歩でいいから成長したい。そうだよね。

同ように年齢を重ねたからこそ、共感できる気持ち。彼女が目の前のことや思いや考えに、真剣に向き合っているからこそ、一緒に戦ってきたと思える。寄り添う音楽なんだろうな。

たかが音楽。でも確実に30代のしがない女性である私には、勇気付けられる手紙になる。彼女、宇多田ヒカルにありがとうを伝える術はないけれど、これからも一緒に歩いていきたい。長い道のりを。


#いまから推しのアーティスト語らせて

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