【軽羹読書録】夏子の冒険
こんばんは。kalkanです。
読書記録は読書メーターでもやっているのですが、せっかくなのでnoteでもやってみようかなと思い、(この非常にキリが悪いタイミングで)始めようと思います。
今日は少し肌寒いので、軽羹饅頭と温かい知覧茶片手にお付き合いいただければ幸いです。それではどうぞ。
初回の今日はこちら。三島由紀夫の「夏子の冒険」。
【あらすじ】
裕福な家で奔放に育った夏子は、自分に群がる男たちに興味が持てず、神に仕えた方がいい、と函館の修道院入りを決める。ところが函館へ向かう車中、瞳に情熱的な輝きを宿す一人の青年と巡り会う。傑作長編ロマンス!
【軽羹感想録】
※ネタバレ含みますのでご注意。
読書メーターを見返してみたところ、前回三島作品を読んだのは2021年の8月。作品は「潮騒」でした。「潮騒」は一度読んで虜になり、2週間くらい読んでは最初に戻り、読んでは最初に戻り・・・を繰り返してた記憶があります。間違いなく私の人生の1冊。
感想を一言で述べるならば、「とにかく面白かった!」に限る。
前情報なしに読み始めた作品なので、こんなにコミカルだとは思わず。久々に読み終わるのがもったいない!と思ったなぁ。
若さ溢れる夏子の気まぐれや我儘、男性に対する考え方が、毅と一緒に旅をすることで本物の恋慕を知って変わっていく様が可愛くて…(まぁ結局本当に変わることはないんだけど(笑))
わかる。何か一つを真剣に追いかけてる姿ってかっこいいよね。夏ちゃんの気持ちすーごくわかる。そして冷める気持ちもわかる(笑)若さ故だよね〜追っかけてる方が楽しいんだよね。急に現実に戻されると冷めるのわかるわ〜。
潤いのある登場人物の面々はもちろん、何より風景描写の美しさ。もうたまらない。
言葉一つ一つがブロックのピースになって、カタコト言いながら脳内で情景が出来上がっていく感覚。
オープンワールドのゲームで遊んでる時の、世界が構築されていくあの感じに近い。
私自身、生まれも育ちも東京ということがあって、地方に並々ならぬ憧れを持っています。
主人の実家が鹿児島なので、そちらの知識はあれど北海道はまだ見ぬ土地。テレビなどで映像などは見たことはありますが、それでも私の中で想像するにはまだまだ情報は足りず。
それでも私の脳内で北海道を作ってくれた三島の表現力!ありがとう由紀夫。
ラストのオチも好き。夏ちゃんはこうでなくちゃ。
もう最後の方は親戚の叔母さんになった気持ちで読んでいました(笑) 私もあの有閑マダムトリオに混ざってわちゃわちゃしたい。
そんなわけで夏子の冒険、楽しく読むことができて満足しました。
太宰治、三島由紀夫と日本人作家が続いたので、次は海外作品に行こうと思っております。
それではまた。
ここまでお付き合い頂きありがとうございました。
kalkanでした!
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