鶏団子とスープ。
中級講座の中で出てくる、鶏団子。
講座の時に作って美味しいとは思ったものの、
「こねるの手汚れるし」
「私、鶏肉より豚肉の方が好きだし」
と今まで実は、家で作った事がありませんでした。
今日は母親の誕生日。
折角なら、何か手の込んだ料理でも作ろうと、
鶏団子を作ってみることに。
(鶏団子くらいで手の込んだ料理っていうなよ、というツッコミ、甘んじて受けます。)
今まで買った事ない片栗粉をスーパーで手にし、
「今回限りで片栗粉使わないだろうから、もっと小さいヤツないかな〜」と悪態をつき、
お肉のコーナーで、ただ「ミンチ」と書かれた鶏肉と、「鶏ムネのミンチ」と書かれた鶏肉を前に、「ミンチにも部位あんのかよ〜。鶏団子の場合、どっちがbetter?」と早くも不安に。
家に帰り、1週間分の洗濯物を干して、大分ヘトヘトになった所を、母の為にとキッチンに立つ。
久々に中級講座のレシピを取り出し、調理に取り掛かる。
やばい、卵が無い。
仕方がないので、ここは無視。
半ば面倒になってきて、玉葱もエリンギも粗みじん、調味料はいつものように適当に入れて、取り敢えず挽肉とともにこねる。
レシピによると、「粘り気が出るまで」こねるらしい。
中級講座を受けた記憶を辿ると、多分ここは割と重要な所。
腕が疲れてきても負けずに、コネコネ。
コネコネ。
コネコネ。
…?
粘り気っていつ出てくるの?
これって粘り気ある?
粘り気があるのか無いのか、暫くこねてもよく分からない。
「そもそもさぁ、ミンチ自体粘っとしてんだから、いつ粘り気出てるか分かんないじゃん。
もう、いい。茹でちゃおう。」
鍋にお湯を沸かし、2本のスプーンを用意。
確か講座の時、スプーンを上手く使って、手を汚さずに成形したはずだ。
沸騰するまでの間、ボールの中で成形のシミュレーション。
分からん。
ぜんっぜん、覚えてない。
あぁもう、沸騰してきた。
(火の通りが早い、ビタクラフトめ。)
もういい。手で握っていれよう。
日も暮れて来た。時間も無い。
勢いに任せて、ハンバーグくらいの大きさの鶏団子を握ってお湯に入れる。
任務完了。後は待つだけ。
暫くすると、お湯が黄色くなって来た。
そう言えばレシピに、「茹で汁はスープとして使える」って書いてたっけ。
お玉で少しすくって飲んでみる。
うまい!!うまい!!うますぎる〜!
私、ラーメン屋開ける気がする!!
調子に乗って、ガブガブ飲む。
少し上機嫌になって、茹でた鶏団子を取り出し、
実家に持って帰るように、ジップロックに入れる。
他の野菜のおかずも作ったし、後は実家に帰るだけ!!
でも、まだバスの時間まで少しあるので、ちょっと待ちの時間。
お腹はぺこぺこ。
そう言えば、スープの方に満足して、鶏団子の味見をしてなかった。
ジップロックから、お行儀悪く手掴みで一つ、鶏団子を取り出す。
美味しい!!美味しい!!めっちゃ美味しい!!
ラーメン屋だけじゃなく、鶏団子のスープを出す中華料理屋も開きたい!!
ニヤニヤしながら、部屋で1人小躍り。いや、嬉しくて大踊り。
食べるって、不思議だ。
本当に美味しい物を食べると、自然と笑顔になる。笑おうとしている訳じゃないのに。
辛いことや落ち込む事があっても、自然と口角が上がってくる。
これは、「本当に美味しいもの」でなければ、成せない技だ。
私はまた1つ、「美味しい」を知った。
今夜、母にもこの「美味しい」が伝わりますように。
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