「将来設計」について考えたこと。
あんまり根詰めて考えなくてもいいのではないかと思っているタイプです、「将来設計」については。
でも、自分が信頼・尊敬している方から、「別に今の時代、将来設計なんか無くても良いんだけど、でも、これからどうしていきたいの?」と聞かれた時は、さすがにギクっとしました。
私は、学生時代に海外留学をしなかった事を後悔していて、「あの時の事を今でも後悔しているから、いつか海外に住みたい。どこに、何のためにかは、まだ全然分かんないんだけど。」みたいな事を、将来や夢について聞かれた時、最近は答えるようにしています。
その時もそう答えて、「じゃあ今すぐ他所へ行ったらいいじゃないの。」と至極真っ当な事を言われるのだけど、「でも、今はベリーダンスも頑張りたいし、どこの国に住みたいとかもないから、今じゃないんです。」と、こう返してしまう訳です。
で、話しながら、「これって本当に私の夢かな?」とも思うのです。
皆さんにも、こういう時ありませんか?
自分の頭にあった事や思った事を人に話してみたとき、考えている段階では絶対にそうだと思っていた事が、「実はそれほどでもないかも?」と感じられるようなこと。
海外に興味があって、外国の方と関わる事も好きで、もっと語学を上達したいと思っている事も、全て本当だと思っています。嘘偽りなく。
だけど、それはいつか叶えたい夢としてそう思っているのではなく、多分本当はその先に、私が目指すべき何かがあるのだと思います、きっと。
それで、せっかくそういう気付きを得たので、「将来設計」というキーワードを頭の片隅に置いて生活してみると、ある事を思い出しました。
将来設計について気付きを得た、ほんの数日前のこと。
とある深夜番組を、テレビで偶然見ていました。
あるお笑い芸人の方が、初めて、ドラマに出演する事になったそう。
そのドラマに主演する俳優さんに、芸人の方は昔から憧れていて、「この人に会えるなら、この世界を辞めてもいい」と、まぁ冗談でしょうが、それぐらいずっと好きだったと仰っていました。
そういう経緯があり、まだドラマの撮影は始まっていなかったのですが、その俳優さんが、サプライズで芸人さんに会いに来るという、そういう内容の番組でした。
芸人さんが、「20年以上前からずっと憧れていて、学生時代に雑誌の切り抜きを持って行って、同じ髪型にしてもらった事もあります。」とか何とか語っている姿を、俳優さんが別室のモニターで見ています。
笑いも交えつつ、真剣に、その人に憧れていたと語る姿。それを見る俳優さんの表情が、しばしクローズアップされました。
その表情が、ちょっと感慨深げに、私には見えたのです。「あぁ、この仕事やってきてよかったな。」と思っているような。
もちろん、バラエティ番組なので、そういう事は語りませんから、本当にそう思っていたかは分かりません。私の想像でしかない。
でもその時の私は、ぼんやりと「いいな〜」と思ったのです。
何が「いいな〜」なのかと言うと、「不特定多数の人に影響を与えられる仕事(人)っていいな〜」ということ。
私は今まで、自分の周りの人に対して、どう役に立てるのかを大事にしてきました。
遠くの国に寄付するのなら、周りで困っている友達にお金を貸してあげたい、みたいな(笑)
大きい事を考える前に、身近な所で、出来る事をやる事が大事だと、ずっと思ってきました。
地に足をつけ、小さな事でもいいから、目の前の人を楽しませたり、助けたりする。それが私に出来る精一杯の事だと。
それは今でも、とても重要な考え方だと思っています。
でも、不特定多数の人に影響を与えられる人というのは、前述のテレビ番組のような、奇跡のような出来事にも出会えたりする。
もちろん、そこにはたくさんの偶然が重なっており、こういう奇跡は、そう頻繁に起こるものでないというのは、理解できます。
不特定多数に向けて仕事をしている人達は、時々訪れる奇跡の為に、誰のためにやっているか分からなくても、日々地道に仕事をし続けなければいけないのでしょう。
それでも、です。
それでも、凄いことでしょう。
自分が全く知らない誰かが、自分(の仕事)に影響を受けているというのは。
不特定多数に向けて仕事をする人達は、誰に影響を与えるかを、自分で選ぶことは出来ません。
高度なマーケティングによってターゲットを絞ることは出来ても、個人のレベルで見れば、誰に影響を与えられるかは、分かりません。
だから、例えば、村上春樹さんのように、世界中で作品が翻訳されているような作家さんの場合、隣に住む人が自分の作品を知らなくても、地球の裏側に住む人が、自分の作品を読んで何か影響を受けている、なんて事があり得る。
もちろん、村上春樹さんは、そういう影響力を持ちたくて作品を書いているのではなく、「分かってくれる人に分かってもらえばいい」というスタンスで書き続けた結果、本人も想像しなかったところで、ここまでの存在感になられたのでしょうが。
何も、テレビの人気俳優さんや、有名な作家さんになろうとしている訳ではありません。目指してなれるものじゃないですからね。
でも、多数でなくていいから、"不特定"の人に影響を与えられる人になってみたい、素直にそう感じました。
身近な人を越えて、見知らぬ誰かの為に。
「不特定少数に影響を与えられる存在になる」
これが今のところ、私の"将来設計"と呼べるギリギリのものです。
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