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さらし生活はじめました

お腹のあたりに巻いてドスをきかせるアレではない。
台所道具として、さらしを購入した。

最初のきっかけはこの番組だった。

料理家のワタナベマキさんが台所仕事でさらしを活用されているのを拝見し、素敵だな、いいな、と思ったのだ。私はいたって単純に出来ている。

次のきっかけは早くも翌日に到来。
Youtubeのおすすめに土井善晴さんの動画があったので再生してみると、おにぎりをこしらえるのにごはんを一旦さらしにポンと置いて軽く丸めるのがすごくいいなと思った。私はどこまでも単純に出来ている。

見終えた私は、Amazonで「さらし」と検索した。

という書き方をするととてつもなく衝動的すぎるけれど、じつはとある課題感を抱いていた(なんだこの仕事モードな物言いは)。

:キッチンペーパー使いすぎ問題

課題感とは、料理時にまな板を拭く際や野菜の水切りをする際にキッチンペーパーを使ってしまうことだった。
昔は水気など気にせずに雑に料理していたけれど、今は水気をちゃんと切るようになった。その結果キッチンペーパーの消費量が増えてしまい、便利だけどなんだかな、とうっすら感じる気持ちが徐々に__そして最近になって大きく膨れ上がっていることに気付いた。

なので、料理のプロの方がさらしを活用される姿にぎゅんと心惹かれたのだ。

Amazonで検索してみると、呉服屋さんが取り扱う日本製の1000円弱の商品が目に留まった。評価は☆4.5以上。レビューをいくつか読むうちに「私が求めていることに使えそうだ」と思えた。折しも、別の商品の購入特典のAmazonギフト1000円分が届いたばかりだった。

購入したさらしは、数日後に届いた。

長さは5メートル。カットする必要があるので、こちらのサイトを参考に作った。さらしに触れるのは初めてなので、適当に取り扱って変なことになる(私あるある)のは嫌だと思ったのだ。

が、作ったと言っても、その作業内容は50cmごとにハサミで切り目を入れて勢いよく引き裂く作業を繰り返すだけだ。不器用の権化のような私でも出来るし、ぶっちゃけかなり楽しい作業だった。

さらしを引き裂いたあとは、用意しておいた大きめの瓶に畳んで入れていく。
言わば「布を引き裂く」という行為が「丁寧な暮らし」に一歩近づく感覚に続いていくのが、なんだか面白かった。

:さっそく活用の儀

さらしが届いた日にたまたま特売の白身魚を購入していたので、塩麹で漬けることにした。

大抵はジップロックやラップで密閉するように説明されている漬ける工程に、かたく絞ったさらしを使用した。容器に入れて塩麹を塗った魚の上にかぶせて隙間を埋めるだけだが、さらしの目が細かいため密閉状態になるのだ。これは実際に使ってみるとなるほどと思ったし、やってみたらラップなどよりも簡単な作業に思えた。

翌朝の朝ごはんの支度では、新たに2枚のさらしが出動した。

1枚はまな板などを拭くために。
1枚は開封した食用の菜の花の保存用に。

キッチンペーパーを使うことなく、さらしがあれこれと役割を果たしてくれる。じつに快適だった。漬けたお魚も早いかなと思いつつ焼いていただいた。とても美味しくて幸せしかなかった。

まな板などを拭いたさらしは、かたく絞って蛇口に干している。その生活感が溢れる姿にノスタルジーを感じた。もしかしたら祖母の家で見ていたのかな。どうだったっけ。

明日はご飯を炊く日なので、できれば炊きたてのご飯をさらしにポンとのせて適当に丸めながらおにぎりを作りたいと思っている。先月、映画「かもめ食堂」を観たことによって、おにぎり欲は上昇したままだ。

__こんな感じで、さらし生活はじめました。
さらしの存在でこんなに豊かな気持ちになるなんて、思ってもみませんでした。

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