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針葉樹のアロマ

スギ一本で出来ること

この写真は軽トラックに山盛りに乗せたスギの枝葉を良い部位と分けている所。

最近巷で和精油などと呼ばれている日本の樹種の精油。
ですが、その精油大丈夫ですか?

私の監修・指導する精油制作は
先ずはそこの土地のことをよく知る職人さん方と相談し、
精油を搾油するのに良い樹を選出することから始めます。

それは、時には、皆伐予定地であったり、
道をつける予定地であったり、
またはつけた道のすぐ脇の伐り易い所であったり、
列状間伐する中の一本であったり。と、様々です。

収穫する場所は常に様々ですが、基本的に私は原料を混ぜません。

そう。
なるべく一本の樹に照準を合わせてその一本の樹だけから精油を抽出します。
そして更に、その一本のスギの成長点から1m〜2mまでの
元気な盛りの枝葉や球果にひとつ一つ手作業で選り分けて蒸留にかけます。

この写真の時は種苗にて天然更新した60年生のスギを使いました。
このスギには受粉後1年ほど経過した種子錐がたわわについていたので、
その時は種子錐と枝葉に分けて蒸留しました。
そして、更にはその種子錐と枝葉を頂上の成長点から
1.5mの所だけを別にしました。

まとめると:種苗にて天然更新した60年生のスギから
・成長点含む1.5mの部分の若枝と葉
・成長点から1.5mの部分の受粉後1年数ヶ月
(凡そ1年3ヶ月程度と予想)を経過した種子錐
・成長点から1.5m以下の枝葉の先端2mくらいまでの枝葉
・成長点から1.5m以下の枝葉の先端につく青々とした種子錐
・樹幹(樹幹に関しては天然木で枝が多かったが材に引いて使用)
※二番玉の辺材のみを木製精油ケースとして使用。
元玉その他は別加工品とした。(バイオマス活用含む)

このように一本のスギから精油と材の両方を生産しました。

精油搾油結果:
・スギ種子錐 (成長点から1.5mまで)
・スギ種子錐 (成長点から1.5m以下)
・スギ枝葉    (成長点から1.5m以内)
・スギ枝葉      (成長点から1.5m以下)
※搾油量は2020年7月現在において社内秘のため公表できません。

材:
二番玉の節の多い辺材が見た目には面白いので木製精油ケースとして使用。

2018年7月12日に収穫および蒸留。
2020年7月12日解禁。(10本ほどは既に販売済み)

・スギ種子錐 (成長点から1.5m以下)
5ml 5,500円 辺材のウッドボックスケース付
・スギ枝葉      (成長点から1.5m以下)
5ml 2,500円 ウッドケース無し紙のボックス入

今の所、このような結果となっております。

このようなデータとアーカイブが
今後、少しでも林業の発展の一助となれますようお祈り申し上げます。

尚、このような経験を持つコーディネーターが必要な場合はお声がけください。
針葉樹と広葉樹を含む森林活用法につきましては、オイルだけでなくその他の活用方法も共に考えますのでお問合せください。
QUSUYAMA LLC. 

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