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「介護離職を防ぐ」を広めたい

 私は、ケアマネージャーと精神科のソーシャルワーカー、15年以上の実務経験のあります。現在、宮崎県小林市内で開業している社労士です。5・6年ほど前に顧問先を訪問したときです。「〇〇さんが退職したいと退職届を持ってきました。56歳の男性ですが、こんな年齢で会社を辞めるなんて気が知れない。あてがあるんですかね?」と訪問先の総務部長さん。
 「退職理由は何ですか?」
と尋ねてみると「親の介護・・・といった理由ですが、会社を辞めるほど介護って大変なのか?会社を介護で辞めるなんて馬鹿げている。ほんと不思議な理由ですよね」と話されたことが衝撃的で、強く印象に残っています。
 その頃は、介護支援の実務から離れて6~7年ほど経過していましたが、「世の中これほど介護というものに対して理解がないものなのか?」といった、未だに、仕事環境の中では、介護という事象はそれほど重要視されていないといった事実に、気が抜けてしまいそうな感じがしたことを思い出します。
 総務部長さんに「私がご本人と会って、個別に相談に応じましょうか?」と相談援助を申し出ても「そんな、労務士さんに介護の相談だなんて、先生には、もう少し会社の大切なことをやってもらわなければ・・・・家族のことだから、本人がどうにかするでしょう」と本人と会うことすらも叶わず、結果、1か月ほど後に、その方は退職されました。
 風のうわさでは、これまでとは全く畑違いの業界で、働いておられる様子。
 これまで育んだ知識や技能、本人は活かすこともできず、会社と社会は大切な人財を失ったことなります。
 負け惜しみに聞こえるかもしれませんが、あの時、その方の相談に応じていたなら・・・・・どうにかなっていたのではないか?と、むなしい夜を幾夜も過しました。何のためのケアマネの経験だったのか?
 その後から、「世の中の人をできることなら介護を理由に退職させたくない。」今、社労士しながら仕事と介護の両立支援に取り組んでいます。
 しかし、親御さんの介護の状態によっては、介護離職を防げない場合もありますが、それでも私が相談に応じて会社や当事者に寄り添うことで、介護に対する考え方、対応の仕方を変えられるのではないかと考えています。
 そんな思いで、普段の業務の一助としてnote活用を思い立ちました。
 テクニック的なこと、制度・法律的なもの、経験談や雑感などお伝えできればいいなと思っています。
 今後ともよろしくお願いします。

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