身体について
6/27の午後が空いているなら、方南町にあるギャラリーniueへ行ったほうが良い。できれば12:30までに。
12:30になると、そだあかりというパフォーマーのパフォーマンスを見ることができる。それがもう、ほんと、すごいのだ。
(そしてそれが難しいならオンライン展示に見に行ってほしい。これはいつでも見れますが生が絶対おすすめ)
以上、伝えたいことは終わりです。
ここからはただの感想です。パフォーマンスを見たらどうぞ。
パフォーマンスというものを見るのは恐らくこれが初めてで、だけどビックリするほど刺さった。あれは、すごい。
抱えにくい重たい荷物を持ち、卵がぶら下がった紐を持ってひたすら歩く。言葉にするとそれだけなのだけど、それがとんでもない熱量の塊なのだ。
思い返すだけで吐きそうだ。落ち着いて
ツルツルの卵たちは、最初可愛らしくゴロゴロと身体の後をついてゆく。ゴロゴロ、ゴロゴロ。身体も力があり、荷物をしっかりと掴んで運んでゆく。
最初は可愛らしいなぁと思った。でもそういうもんじゃなかった。
ゴロゴロ進んでいた卵の1つに亀裂が入る。最初、ツーっと卵白が引きずられて
思い出すだけで吐きそう。
そして、だんだんとめちゃくちゃになってゆく。卵は崩れ始める。床は、足は、ゆっくりと千切れた黄身を伸ばす。綺麗で可愛らしくすら見えた様が、どんどんスプラッタ映画になっていくようだった。
身体はじわりじわりと疲れ、足は荒く、息は重くなる。生臭いにおいが、ギャラリーの中に立ち込めてゆく。心臓がひと響き毎に頭へ血を押し込んでくるのが分かる。目眩と吐気が凄くて、何度も途中で見るのを辞めたほうがいい気がした。
筋肉に力がこもり、足先が筋ばむ。吐く息が、生臭いにおいが、歩きながら先へ進むことが、全部めちゃくちゃだ。
身体が、どっちが自分のものなのか分からなくなる。というかどこが身体なのか分からなくなる。ぐちゃりと踏む感覚が、重みで喉が詰まる感覚が、するのだ。
荷物が床とぶつかる。それをまた持つ。でもまたぶつかる。荷物が卵にのしかかる。もう上も下もよくわからなくて、涙が出て、シャッターを切りながら苦しくて苦しくて堪らなかった。自分が卵なのか、身体なのか、息なのか、荷物なのか、わからなかった。
パフォーマンスが終わったあと、部屋の明かりがついて、ビニールシートを剥がしながら展示仲間と話をして、片付けをして、写真を取り込み、とにかく平静を装いたいと思った。とにかくこの事について、よく自分の中で考えてからでないと何も分からないと思った。
今だって全然言葉になっていないし訳がわからない文になってると思うけどこれでも纏まったほうだと思う。なんかそれ以上のものだった、としか言いようがない。言葉で言い切れる物の遥か向こう側にあるものだった。すごかった。
サポートされた資金で卵を買って、燻製にします。