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真のコンサルタントの実力

 私の経営コンサルティングの師匠 友江照幸(数年前に他界しました)は、かつて、坪効率世界一の「いかりスーパー」を育て上げ、滋賀の「平和堂」を上場まで導き、その他多くの会社を育て上げ上場させてきました。

 では、その日本一ともいえる実力コンサルタントの友江が、半世紀にわたって指導してきたクライアントは全部で何社になるでしょうか?

 世の中の多くの有名コンサルタントは、履歴の中で、「1000社の指導をしてきました」とか、「3000社に関与してきました」等とうたっていますが、一方、友江の関与先は50年でわずか70社ほどに過ぎません。

 これはどういうことでしょうか。

 友江は、短い関与先でも10年、長いところでは40年以上の経営指導をしてきました。

 毎月少なからぬコンサルティング報酬をいただきながら、これだけ長期にわたって企業から経営指導を請われてきたことが、コンサルタントとしての実力を真に証明しているのではないでしょうか。

 以前テレビによく登場していた産業再生機構なども、特集を見ている限りでは、非常に高圧的なコンサルタントが目立ちました。

 高圧的な態度から、彼らが長期的な付き合いを前提としていないことがはっきりわかります、短期的な「結果」のみしか眼中にはありません。また、人と人とのしっかりとした付き合いを通して会社を改革していこうという意図はなく、コンサルタントの力量不足を威圧によってカバーしているようにしか思えませんでした。

 会社経営の要は”人”であるといわれています。すなわち、社長をはじめ、幹部、社員の全員のやる気が”かっ”と高まってはじめて、売れないものも売れるようになるわけです。

 社員の”やる気”を喚起するのが、コンサルタントの最も重要な役割です。

 そのためには、社員をほめたり、おだてたり、時にはしかったり、といった非常に人間的で泥臭い仕事をやるわけです。そこには、しっかりとした信頼関係を築こうという意図があるわけです。信頼関係なしに強制的にやらせることは、一時的には出来ても、決して長続きしないことは明らかです。

 そしてすべては、コンサルタントの人間としての”力量”にかかってきます。

 ですから、コンサルタント業は、坊さんと同じ”人間修行”であるわけです。

分かりやすく経営に対する思いを伝えたい