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ラビリンスワールド【連続小説】(その18)

 少しの給料でユウカにさんざんこき使われて、早く出口を見つけてこの世界から脱出してやる。行けるところはほとんど行って、唯一見つけた出口は鍵がかかっているって、いったいどういうことなんだ。出られる出口なんてないんじゃないか、と考えていた。待てよ、まだ行っていないところがあるな。そういえばレベル18以下は入場禁止(L18禁)のエリアにはまだ、行けていないぞ。絶対L18禁のエリアに出口があるに違いない。早くレベルを上げよう。今のレベルはいくらだ。スマホで自分のレベルを調べてみた。レベル3。絶望に近い衝撃を受けた。まだ、レベル3なんて。あとどれくらいこの生活を続けなければならないんだ。気力がなくなり、へたり込んでしまった。それでも何とかレベル18になれば出口を見つけられるんだと自分に言い聞かせて気力を振り絞った。

 行ってないところはまだあった。各種工房の奥の部屋にも行ったことがなかった。素材工房の奥の部屋に行ける条件として『クロム、ニッケル、銅のいずれかのインゴットを10個作製する』と記載されていた。これならすぐにできるぞと思った。

 1ヶ月後にはクロムのインゴットを累積で10個作っていた。よし素材工房の奥の部屋に行く権利を得て、奥の部屋に行ってみた。奥の部屋には素材工房にある窯よりグレードの高い窯や道具がそろっていたが使用するには高額の使用料を支払う必要があり、使えば使うほど赤字となるため、誰も使う人はいなかった。
「まったく使えないな」とひとりごとをいっていた。
使えない装置はどうでもいいので、ラビリンスワールドの出口を探したが見つからなかった。その日はかなり落ち込んだので、早退してカプセルホテルで休むことにした。

これまでのストーリー


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