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ラビリンスワールド【連続小説】(その14)

第四章:ユウカとの出会い

 カフェには取引所からくると一番近い南側の入口から入った。カフェでスマホを見ながらどうやってお金を稼ぐかを考えていた。コーヒーを飲み終わり、スマホを見ながら外に出て取引場に戻ろうと数歩あるいたところ、入ってきた入口とは違う入口から出てしまったらしく、来た時の風景とは違っていた。ここはどこだときょろきょろしていると向いにカジノがあったので、カフェバーの北側の出入り口から出てしまったのだとわかった。目の前に南側に続く道が見えたのでカフェバーのか壁沿いに半周して帰ることにした。カフェバーの角を左に曲がり南に向かって歩いているとカフェバーの向いの壁に「出口」と書いた扉を見かけた。カジノとはつながっていないしなんの出口だろうと思って歩いていた。その時フッとラビリンスワールドの出口だと気が付いた。
「あった」と思わず、声がでていた。早速、出口に駆け寄って開けてみようとしたがプッシュボタン式の電子錠がかかっていた。
「なんだよ、そういうことか」とひとりごとを言っていた。その横に『電子錠にスマホをかざして起動させプッシュボタンで番号を入力しEnterキーを押す。回数は一人1日1回まで』と記載されていた。とりあえず777と入れてEnterキーを押してみたが予想通り開かなかった。明日にならないと入力できないのか。何桁かもわからないしカンで開けるのは無理だろうと思った。もし、毎日1回ずつゼロから順番に入力していっても1桁で開くなら10日、2桁なら100日、3桁だと2年9か月かかり、4桁なら27年5ヶ月あれば開けることができる。5桁なら・・・計算するのが怖くなりやめた。俺なら2桁でも開けるのは無理だと思った。ほかに開け方はないかといろいろ探していると、後ろから同年代の女性に声をかけられた。
女「見かけない顔だね。開けようと思ってるのかい。」
ショウ「どうやって開けるんですか。」
女「そこに書いてあるだろ。そのままだよ」
ショウ「開ける番号を知ってるんですか」
女「知ってたら、とっくに出て行ってるよ。でも、いい情報なら持ってるよ」
ショウ「教えてください」
女「じゃあ100ゴールドでいいよ」
ショウ「ゴールドがいるんですか」
女「当り前じゃないか。タダで手に入ると思っちゃダメだよ」どうしても、聞いてみたかったので女に100ゴールド払った。
女「それじゃあ教えてやる。誰にも言うなよ。ここの鍵は4桁以上だよ。0から999まで試した奴が3桁までの数字は全て試したが開かなかったって言っていたのさ」
ショウ「試した人がいるんですか。すごいな。情報はそれだけですか」
ユウカ「100ゴールドならこれだけだろ。あたしはユウカ。困ったらいつでも相談に乗るぜ。いつもこの辺にいるから探しに来な。」といって歩いていってしまった。
そろそろ「銀の剣」が売れているかもしれないと思い、取引所に戻ることにした。
取引所に戻ってバザーで確認したがまだ俺の「銀の剣」は売れていなかった。取引所や武器防具工房でよく見かけるナオキと呼ばれている人に聞いてみることにした。
「すみません。武器を作ってバザーに出店したのですが、80%の出来だったので取引所で売っている80%で出したのですがなかなか売れないんです。なぜだか教えてもらえますか。」
「そんなこと、俺の知ったことじゃない。自分で考えろ。」と言って教えてくれなかった。なんだよ、明らかにバザーで儲けていそうなのに教えてくれないなんて、なんでケチなんだろうと思った。自分で考えてみたが、思いつかなかった。案内係なら知っているかもしれないと思い、案内係に聞いてみたがラビリンスワールドでの基本的な機器の使用方法やアトラクションの使い方の説明はするが、プレーヤーの進め方まではアドバイスできないと断られた。

これまでのストーリー

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