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ラビリンスワールド【連続小説】(その13)

 次の朝カプセルホテルのベッドから起き上がって、今日は工房へ行くぞとはりきっていたいた。早速、武器防具工房へ向かうことにした。武器防具工房に到着して、まずは案内所で教えられた通りにレシピを購入することにした。手始めに簡単そうな「石の剣」を作ってみようとおもい、石の剣のレシピを購入した。石の剣を作るための素材は石と木の枝であった。早速、裏山で石と木の枝を拾ってきた。石と木の枝なら簡単に手に入るものだなと思った。レシピに記載されている通りに工房の場所と道具を借りて作ってみた。レシピに記載されているようにやってはみたが、見事に失敗した。材料がなくなったので、再び裏山に材料を探しに向かった。今度は失敗してもいいように石と木の枝を3つずつ集めて工房に戻ってきた。2回失敗したが、3回目にはようやく完成度が80%の石の剣が出来上がった。取引所の中にはバザーというシステムがあって世界中のラビリンスワールドとつながっており取引が可能であった。良い物ができたら取引所で売るよりバザーに出店した方が高く売れる場合があるとのことだった。早速、取引所に行って石の剣を武器屋で売っている価格と同じ100ゴールドでバザーに出品したが全く買い手がつかなかった。不思議に思い、同じように武器を作って出品している人になんで売れないのかきいてみたところ、
「完成度が低いのに武器屋と同じ値段で売っても売れるわけないだろ。同じ値段だったら武器屋で買うだろ」といわれた。
言われててみると納得した。価格を80ゴールドにして売ったところ、すぐに売れた。そういう仕組みになっているのかと思った。もっと儲かる武器を作ろうと思い、「銀の剣」のレシピを買った。素材には銀鉱石、石、樫の枝と書いてあった。銀鉱石かどんな石かよくわからなかった。銀鉱石というぐらいだから石の中に銀色の部分があるのだろう。石はそこらへんに落ちている石でいいのかな。それならなんの苦労もなくタダ同然手に入るな。樫の枝ってなんだ。普通の枝との違いがよくわからないな。高い武器なんだからきっと固い枝のことだろうと思った。ここで、悩んでいても進まないので、とりあえず裏山に行ってみることにした。
 2時間ぐらいかけて部分的に銀色に光る石5個と固そうな木の枝10本を取引所に持っていって売ってみることにした。しかし、目的の銀鉱石と樫の枝はなかったが2,000ゴールドぐらいにはなり、思ったよりも儲かった。
「これだけ探して、1つも見つからないのかよ。」とひとりごとを言っていた。どんなものかもわからずに探していても効率が悪いと思い、スマホで銀鉱石と樫の枝を検索してみた。銀鉱石は思っていたのとは異なり黒い部分が多く、知らないと銀鉱石ということは分からなかった。樫の枝の見た目は普通の枝とあまり変わりはなかった。これは、探しても見つけられる可能性が低いな。探すことはあきらめて、売っているものを買うことにした。取引所で扱っている価格とバザーにでている価格を比較して、バザーの方が安かったのでバザーで買うことにした。銀鉱石、ただの石、樫の枝で合計2,400ゴールドであった。レシピ通りに作ったところ完成度80%の「銀の剣」が完成した。取引所で売っている「銀の剣」の価格を調べてみると5,000ゴールドで売っていたので80%の4,000ゴールドでバザーに出品した。バザーで「銀の剣」が売れるまで、息抜きにカフェに行くことにした。

これまでのストーリー

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