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ラビリンスワールド【連続小説】(その15)

 仕方がないのでさっき出口の近くで知り合ったユウカに聞いてみることにした。再び先ほどのカフェ付近で探していると、女性数人とカフェで話している集団の中にユウカがいるのを見つけた。
「聞きたいことがあるんだが・・・」と俺はユウカに尋ねた
「なんだ」
「工房で作った80%の出来の武器をバザーに取引所の80%の値段で出品したんだがなかなか売れないんだよ。なんで売れないかわかるか」
「教えてやってもいいが、少し高等な話になるから、1,000ゴールドだな」
「そんなお金持ってないよ」
「じゃあ、あきらめろ」とユウカはきっぱり言い放った。
「いくら何でも1,000ゴールドは無理だ。まけてくれよ」
「しょうがないな。それじゃあ特別に500ゴールドにしてやる。これ以上はまけられないから、いやなら他を探しな」
「わかった。500ゴールドだな。今はないから明日でもいいか」
「ゴールドができたらいつでも来い」
「分かった。」と言って俺はカフェを後にした。
どうやってゴールドを稼ごうか考えたが、石や枝を拾って稼ぐしか方法を思いつかなかった。今日は疲れたので明日裏庭に石と枝を探しに行くことにした。今日はカプセルホテルに戻って休息することにした。
 次の日、早速裏山に向かってきれいそうな石や枝を100個ぐらい拾って取引所に持って行って換金してもらったが、500ゴールドにはならなかった。自分の持ち金を確認し、合わせると500ゴールドを超えたので、ユウカのところに向かおうと思ったが、その前に昨日出品した「銀の剣」が売れているかをスマホで確認した。しかし、まだ、売れていなかった。気分を取り直しユウカのところに向かった。カフェには見当たらなかったが、服屋にいるところを見つけた。
「500ゴールド持ってきたぞ。なんで、俺の武器が売れないのか教えてくれ。」と俺はユウカに言った。
「分かった。それじゃあ500ゴールドは前払いだ」俺は500ゴールドを支払った。
「バザーで自分の武器と同じ武器がいくらで売られているか見てみろよ。時間を空けて何回か見てみれば、売れてない武器の値段がわかるだろう。売れてない武器と同じ価値で同じ値段をつけても売れないだろうよ。難しいことはよくわからないが、需要と供給の関係がどうとかいうやつだよ。」
「細かいとことはよくわからないが、バザーで長い間ある商品は売れないから残っているってことか。それよりも低い値段にしないといけないということだな」
「そういうことだよ。まいどあり。また、わからないことがあったらゴールド持ってくれば教えてやるぜ」

これまでのストーリー


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