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ラビリンスワールド【連続小説】(その8)

第三章:ラビリンスワールドでの過ごし方

 ラビリンスワールドの出口はこれまで俺の行った範囲の中にはなかったので、まだ、いっていないところにあるに違いないと考えていた。まだ、行っていないところといえば、案内所の西の出入り口から出たところだ。西の出入り口の先には庭があると言っていたかな。よし、明日は西の出入り口らか、庭を見てみることにしよう。しかし、大勢の人がこのラビリンスワールドにいるということは、そう簡単に抜け出せないのかもしれない。そういえば、レベル18以上でないと入れない区域もあったし、それに案内係の話だと格闘技場や工房の奥にも課題をクリアーしないと入れない部屋があるらしいからな。その中に出口か出口のヒントになるものがあるかもしれない。
 そのためにもゴールドと経験値を上げなければならないな。しかし、ゴールドを稼ぐにはギャンブルは得策とは言えないような気がした。勝っても1.5倍かせいぜい2倍ぐらいで何回も勝ち続けなければ大きな儲けにならないし、負ければ持ち金がすべてなくなる危険性が高いと、2ゴールドしかない所持金を見て思った。ダイキの言う通り、格闘技場でこつこつ稼ぐしかないのかなと思っていた。でも、待てよ。格闘技場以外にも人はたくさんいるし、その人たちは何をしてゴールドを稼いでいるのだろう?もう少し、ラビリンスワールドを調べてからゴールドや経験値の得る方法を考えてみることにしようと考えた。まず、明日は案内所の西の出入り口から庭にでてみて、何があるか探検してみよう。案外あっさり出口が見つかるかもしれないしな。よし、そうと決まれば今日はカプセルホテルに戻って休息をとることとしよう。案内所までかえって来たところでカプセルホテルの従業員の人が通用口から掃除道具を持って出てきて俺に
「今、カプセルホテルの清掃が終了いたしましたので、只今から使用いただけます。」
と言ってきた。俺は
「いつもありがとうございます。」と返した。
ギャンブルにしろ、何にしろ体を動かすと少しずつ体力が消耗するので、今日は休息をとることにした。

これまでのストーリー

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