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ラビリンスワールド【連続小説】(その1)

ラビリンスワールドというSF小説をつくりました。

 主人公の ショウがラビリンスワールドという世界に紛れ込んでしまいました。ラビリンスワールドとは、ロールプレイングゲーム(RPG)のダンジョンのようなところです。RPGのダンジョンとはいっても、モンスターはでてきません。ラビリンスワールドにいるのは、ラビリンスワールドを体験しに来た多くのプレーヤーと少数のラビリンスワールドの運営スタッフのみです。ラビリンスワールドに来たプレーヤーは全ての記憶を失います。主人公のショウも自分が誰だかわからないところから物語は始まります。そこにはすでに先輩プレーヤーがプレーをしており、その中に入っていっていろなことを体験します。さて、ショウはこのラビリンスワールドから脱出することはできるのでしょうか。お楽しみください。

第1章:ラビリンスワールドについて

 気が付けば、屋根が高く白い壁に囲まれた建築物の通路におり、後ろを振り返れば白いペンキを塗った複数の頑丈な金属の棒とガラスを組み合わせて作った回転ドアがあった。この回転ドアはいっぽう方向にしか回らず、中から外への出られない構造になっている。どうやらこの回転ドアから中に入ってきたようだったが、ここがどこで、この建物は何で、なぜここにいるのか全く分からなかった。外に出られないか、回転ドアをいろいろ調べてみたり、壁を登れないか試してみたが無理だということが分かった。どうやらこの入口からは外にでることはできないようだ。自分の格好に目を移してみた。服装は上下横しまのスウェット姿でお世辞にもかっこいいとは言えない服装だった。
 なぜ、ここにいるのだろう。自分に対するこれまでの記憶が全くなかった。しばらく思い出そうとしたが、ここがどこだかわからないし自分が誰だか分らなかった。仕方がないので、出口を探すために奥に進んでみることにした。少し進むと突き当りに入口に案内所とドアに記載されていた。中に入ってみるとスタッフらしき人が部屋の左手の方に向かって手を伸ばしていた。その手の先に視線を向けると壁の近くに案内所と書かれたカウンタ―があり、その前には複数のテーブルと椅子が置いてあった。そのテーブルとイスはプレーヤーが自由に使ってよいらしく、何人かのプレーヤーがくつろいでいた。テーブルと椅子の右側にはカプセルホテルと書かれた自動ドアがあった。スタッフに案内され案内所と書かれたカウンターに向かった。

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