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ラビリンスワールド【連続小説】(その2)

「ようこそ!ラビリンスワールドへお越しいただきありがとうございます。ここは当アトラクション『ラビリンスワールド』の案内所でございます」と案内係はいった。
アトラクション?俺はアトラクションに来てしまったというのか。案内係は続けた。
「それでは、ラビリンスワールドの説明をさせていただきます。ラビリンスワールドを楽しんでいただくために入口を通過した際にお客様の過去の記憶はすべて消させていただいております」
記憶がないのはこのアトラクションのせいだったのか。
「記憶はいつ戻るのですか」
「このラビリンスワールドを出れば、これまでの全ての記憶が戻る仕組みとなっています」
「気が付いたら俺はこのラビリンスワールドにいるのですが、なんで俺はこのラビリンスワールドにいるのですか?」
「それは、お客様が自ら参加したいと希望されたからです」
「そうなんですか・・・」
俺が希望してこのアトラクションに来たというのか。
「どうやったら、ここから出られるのですか」
「ラビリンスワールド内には複数の出口がございます。ご自分で出口を探して見つけていただくことがこのアトラクションの目的の一つです」
「そうか、ちゃんと出口はあるのですね」
俺は少し安心した。安心したので、このアトラクションに興味がわいてきた。
「ところで、ラビリンスワールドとはどんなアトラクションですか?」
「それではラビリンスワールドの詳細な説明を行っていきたいと思います」
案内係の話をまとめると次のようなことだった。

  • ラビリンスワールドは様々なイベントが行われているアトラクションでどのアトラクションに参加するかは個人の自由であり、気のすむまで自由に滞在することができる。

  • お世話をする案内係などのスタッフ以外は皆ラビリンスワールドのアトラクションを体験しに来たプレーヤーである。

  • 出口は複数あるが、自分で探さなくてはいけない。

  • ラビリンスワールドの入口を通った瞬間に過去の記憶がなくなる。

  • ・出口を出れば、なくなった記憶は戻る。

  • ラビリンスワールドの屋敷内にはいくつもの部屋があり、部屋の奥にイベントをクリアーして扉の鍵をゲットしなければいけない部屋があるところもある。

  • プレーヤーにはレベルがあり、レベル18以上にならないと入れないエリアがある。

  • イベントに参加すれば勝っても、負けても、成功しても、失敗しても成果に応じた通貨(ゴールド)や経験値がもらえる(負けや失敗は勝ちや成功の1/10)。

  • ゴールドを使って、いろいろな物が買える。

  • ダメージを受けるとライフが減る。ライフがゼロになっても死ぬことはないが、動けなくなるので休息が必要となる(ゼロになる前に休息しても回復する)。

  • ダメージを受けなくても行動することによりライフが少しずつ減っていく。

  • 休息する場所は案内所の奥にあるカプセルホテルのようにベッドが上下左右に配置された場所(蜂の巣のような配置)が使えるし、ラビリンスワールドのいたるところにベンチや椅子があるので、自由に休息に使うことができる。

  • 基本的に何もしなくても生きていける(死ぬことはない)。

聞いた話から、ロールプレイングゲーム(RPG)のダンジョン見たいだなと思った。

これまでのストーリー


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