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11日目最終日|2021.6.8

 檜枝岐村で起きる。
寝袋から出ると外はひんやりと肌寒いのでダウンジャケットを羽織った。
今回の旅で忘れ物と言えば珈琲豆だ。出発前にはいつもお気に入りの焙煎店で豆を買っていたのだが、今回うっかり忘れていた。しかたなく毎晩UCCのインスタントコーヒーでお茶(コーヒー)を濁す。

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 今回旅先で買った本は、山形駅のくまざわ書店で1冊、角館のブックイン105で1冊、ブックスモア湯沢店で2冊、横手増田の東海林書店で1冊、たもかく本の街で6冊だった。旅の予算が限られているのであまり本を買えなかったが、また近くに来た時には立ち寄ろうと思う。

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さて、今日で自宅へ帰らなければならない。
残念ながら。
時間とお金さえあればあと二週間くらいは西の方へこのまま走って行きたい気持ちだが、西はあとの楽しみとしてとっておこう。

 東北の長期釣行の最終日には必ず檜枝岐村に立ち寄ると書いたが、それは挨拶がてらだけでなく、長期間に荒れに荒れた車中を片付け、道具のメンテナンスも兼ねている。車の後部座席を旅の最中はずっと寝台のままにしているので、その周辺にはゴミやら着替えやら柿の種やらが散らばっているのだ。そして野営道具を洗わずに仕舞ったり、収納を適当にしていたりしていた。次に使用するまでにそのまま道具をほおっておくと、錆やカビが発生していざ使うときにいやあ~な気持ちになるので、最後の日には必ずここ檜枝岐でメンテをする。メンテと言っても洗ったり、きちんと収納するくらいなのだけど。

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なんか全体的にスノーピーク率が高いがこの写真の道具は10年以上使い続けている。

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 コールマンのこの椅子はロースタイルキャンプ(地面に近い位置でするキャンプ)好きとしてお気に入り。これと同じ規格の椅子は現在ないのではないか。16年も使っているがいまだ現役だ。
 キャンプ道具に関してはちょっとお値段が高いものを「どうしようかな~」とかなり悩んだ末に思い切って出費をした道具が、結局10年以上使用し続けている。あまり新しもの好きではないので長々と使い続けているがアウトドア用品メーカーとしては良い客ではないだろうな。

 また車についても僕は道具として割り切っている。日産のエクストレイルの前々モデルだが、釣りに使用するためにこの車を買ったほどだ。室内とシートは防水。後部座席もフラットにでき寝床を作れる。泥や土、砂利の上を走ることもあるし、林道の左右にバサバサと生い茂った草木をかき分けながら車で進むこともある。釣りという趣味で車に美意識を持ち込むとその都度自分の車に傷が付くことなど気にしてしまい、渓流に行くどころではないのである。すでに10数年、12万キロを乗っているが、点検や車検に出すと日産のディーラーからは早く新車を買ったほうがいいといつも言われる。たぶん次の車のこの旧モデルのエクストレイルを買うだろうから、次は中古になる予定だ。ちなみに色はホワイト。それ以外は細かい傷が目立ってしまうため。

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 コーヒーも飲み終わり、車からいったんすべての道具を外に出し、道具を片付けつつ、寝台を座席に戻し、また道具を車に積みなおす。
昨晩のテントも片付け、きれいさっぱり出発の準備ができた。
二時間きっかりで朝8時。我ながら素晴らしいタイムスケジューリング。

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 キャンプ場のご夫婦に別れの挨拶をして、帰路に就く。
 村の中心部に入るとケータイの電波が入るところで昨晩に書いたもののなかなかアップできなかったnoteの10日目の記事をアップしようとしたが、やはりできず。なんだかんだ言って1時間もポチポチやっていた。
 昨日は仕事のために村のwifiにつないだらべらぼうに速く、自宅のnuro光と大差ないほどの体感スピードだった。
 そういえば檜枝岐村は新垣結衣がNTTの光回線を使用したICT(「Information and Communication Technology(情報通信技術)」の略で、通信技術を活用したコミュニケーション技術)のCMに使われていたことを思い出した。
恐るべし檜枝岐。

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第一村ネコ発見

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 舘岩村の湯ノ花温泉に立ち寄る。
2019年の台風で湯小屋が流されてしまったものの同年の冬には復旧した石湯にまずは入浴。
 湯ノ花温泉は料金を温泉で払うのではなく、旅館など周辺のお店で入浴券を購入してお風呂のポストに券を入れて入浴する方法。

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 しかし源泉温度が58.6℃のかけ流しのために、足をくるぶしまで入れるだけで火傷しそうな熱さ。水道の水を入れて多少気休めに温度を下げて入浴するも、10秒が限界。
 もう少しのんびりと入浴したいので、今度はおなじ湯ノ花温泉の湯端の湯に移動。こちらも熱いものの、ある程度水を足してあったらしくゆっくり浸かることができました。 

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 帰路の道中の風呂上りにはいつも道の駅番屋でそばソフトを食べるのだが、残念ながら火曜は定休であった。火・木が定休だったのか。ここのそばソフトは美味しいのです。

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 さて、会津西街道に出て南下。国道121号線で栃木県に向かう。今回の旅の1日目、一昨日の福島市からの道中にもこの道を通った。会津若松までは芦ノ牧温泉や有名な大内宿などがある。まあ僕が好きなんですねこの道が。ちなみに戊辰戦争では大内宿あたりの峠が激戦地だったらしい。あとイザベラ・バードは日光からこの道を通って南・西会津へ行ったという。

 長いトンネルを抜けると、そこは栃木だった。ついに帰ってきた。栃木県。まあ、そこまで感慨があるわけなく、なんか帰ってきちゃったなぁくらいの心境です。お昼にはこの周辺で食べられている乳茸(ちたけ)のそばを。
 乳茸そのものはボソボソして美味しくないのだが、出汁として使用していて、それをかけそばで食べるのがこの周辺では有名。ほかの地域であまり食されない乳茸なので、けっこう珍しいのではないだろうか。

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鑑賞用の植物も売っていて、苔テラリウムは思わず買ってしまいそうになった。

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五十里湖の海尻橋

 そして121号線の日光から鹿沼市までの通称「例幣使街道」は日光杉並木とも呼ばれ、1648年に家康のお墓である日光東照宮への参道として杉が植えられた道。夏でも木陰が続くこの道は、バイクツーリングでは美しい木漏れ日と相まって夏の暑さをしばし忘れさせてくれるルートなのだ。

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ということで、11日の東北釣行も本日で終了。

 ここまで読んでいただいた方がいましたらお気づきでしょうが、僕は行き先を決めていない。毎度「北へ、南へ、西へ」くらいの行き先しか決めておらず、その場その場で行くところを決めながら旅をしている。
 今回の旅では7日目の旅はまさにその典型だった。

 この日は雨のために朝から温泉を探し、近場に新潮記念文学館があるので行って、本屋に行きたくなり本屋に行き、そこで故矢口高雄先生のフェアを見て増田まんが美術館が近くにあることに気づき、その道中には偶然にも東海林書店さんに訪れることができた。こういう行き先が自然に決まっていく旅が僕は大好きです。まあ、そのせいであまり実のある1日にならなかったこともあるけれど。
 東北はとても面白い。東北と大きくまとめてしまっているが、青森県は日本海、陸奥湾、津軽海峡、太平洋と海に囲まれ、山と海が近いのが海なし山なしの関東平野民にとってはとても魅力的。秋田県は何といっても渓流釣りの天国。まず魚がいる。そして大きい。釣り人にやさしい。岩手県は冷麺と遠野でのジンギスカン。釣りも少々。三陸は震災後も何度か訪れているが、スーパー堤防にはいつも圧倒されてしまう。山形県はそば。あと意外と平地が多い。東北中央自動車道が来年までには全線開通するので、かなりアクセスがしやすくなるので楽しみ。宮城県は実はあまり釣りとしてはお邪魔していない。福島は庭みたいなもの。
 20代のころは福島県なんて大冒険だったものだけど、いまでは日帰りでいけるほどの距離感。青森まで遊びに行っていると、山形県に来ただけでもう地元に帰ってきた錯覚になる。まだ自宅まではまだ200キロ以上あるのだけれど。

コロナが収束したら次は西に行きたいと思います。

 今回は旅先で就寝前に記事を書いていたので、記憶間違いや、情報の不正確さもあるかもしれませんが、温かい目で見ていただければ幸いです。また今後、この記事には情報の追加や、写真、ルート情報などの追加していく予定です。

 最後まで読んでくれた人がどのくらいいるのかわかりませんが、楽しんでくれたらコメントや質問など残してくれると嬉しいです。

それではまた次の旅で。

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今回の走行距離は2752km。結構走りましたね。

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