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2014.05.22 / “いい意味”で

いやいや、それでいいんだって!
変わる必要もないし今のままで大丈夫。
そういうやつらを気にしなくていいし、優しいんだね。良いじゃん!

とても気持ちの良い夜、そして、朝だった。
あの日感じた多幸感に似てた。

飲み物を買ってゆっくり歩く私たち。
ちょうど日陰になってるベンチを見つけて腰掛ける。
ニコニコしながら話していたら

「お前さ」

声の力強さにビックリして振り向く。

「なんで帽子かぶってきたの?」

「…は?え?」

「だから、なんで帽子かぶってきたの?って聞いてんの」

今日は日差しも強いだろうし、買ったばかりの ゴールドのウサギのピンが付いたお気に入りのハットを被ってた。
デートだから背伸びしていた、と言うのもある。

「え…いぃぃぃじゃん!なによっ」

「いやぁ〜 ふーーん…そうじゃないんだよなぁ〜…なんつーかさ」

「なに?変?」

「いや、変とかでもなくてさぁ。。おしいんだよね。おしいなぁ…」

「…おしい?」

「そう、おしいんだよ〜」

そう伝えるたびこちらを見る姿に体が暑くなって、額に汗をかいてるのが自分でもよく分かった。

「んま、いいわ 歩こうか、うん そうしよ」

発した途端、石を飛び越え 歩き始めた。
わけは随分前から分かってないが、また後ろをついて行く。

「おしいんだよなぁ〜 はぁーおしいなぁ」

なんかゴニョゴニョ言ってるのが聞こえる。けど気にしないことにした。

少しすると、ピタッと歩くのをやめた後ろ姿が見える。
距離があったので、小走りで駆け寄る。

「どしたの?歩き疲れちゃったよ」

「日陰に来たからもういいっしょ、その帽子、取って」

そう言ってこっちまで近付き、腕を振り上げ帽子を触った。

「いや..ちょっ…」

途端に前髪を気にする私。

「ここだったら必要もないし、デートの時、帽子は嫌われるよ」

そういって右に傾けた顔を近づけ、唇と唇が触れた。
とっさの出来事に、どんな顔してたかと考えると恥ずかしくなるのでやめておく。

経験は想いを継続させる力がある。
自分に対する出来事だったら、尚更。

記憶は消せて、思い出は消えない。

どうしても諦めきれないんだったら、それを作り、想像し、イメージする努力をしようよ
して見せてよ?
何回遠回りするんだか

あの時の気持ちを思い出して
ワクワクする、楽しくて、やりがいがある あの気持ちを

『分け与える優しさ
 無償の愛
 いつでも自由で新しい世界』

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