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ある日のretelling その2

「ある日のretelling」という記事を書きました。

なかなかいい活動だと思ったのですが、生徒に感想を聞いたところ、「写真だけをみて、その教科書の内容について話すのは難しすぎる」という生徒がいました。確かに難しすぎるかもなあと思っていましたが、悩んだらとりあえずやってみる、そしてそのあと方針を変えるというスタンスでやっているので、良しとします。

さて、ちょっと改良してretellingをまたやりました。方針としては、特別の準備を必要とせず、普段着の活動として「持続可能な活動」となっているかです。研究授業で見せるような、入念な準備や教材を必要とせず、続けることができる活動でなければならないよなあ、と、いつも考えています。

1.Pre-Reading


今回のReading教材のTopicは富士山です。富士山について知っていることを英語で表現させた後。質問をします。
富士山は、World Heritage Siteに登録されていますが、生徒にnatural, cultural, mixedのどれで登録されているか聞くと、ほぼ100%naturalと答えます。しかし実際はcuturalとして登録されています。その理由が教科書に書かれているので読んでみようかと導入します。

2.Reading


生徒は富士山がnatural heritageではない理由となる文を2か所探し、cutural heritageである文を2か所探します。

その後、ペアで確認し合います。

3.Practice Reading


ここで、生徒には今日の学習の目標を「富士山について新たな情報や自分の意見・考え・思いを付け加えながら説明できる」ということを伝え、音読練習をします。

もちろん正しく音読できることも大事ですが、「何のためにに正しく読めるようになる必要があるのか」ということを伝えて音読練習をさせると、集中力や音読の深さがちょっと上がる気がします。

以前は回数を10回読むことが目標だよ、とか、正しい発音で読めると得だよね、とか、みんなの前で発表してもらうよ、などと音読練習の前に伝えていましたが、なんとなく自分でも「音読って何のためにやるのか、いまいち伝えきれてないなあ・・・」と思っていました。

話題はそれますが、自分が英語が得意になったのは「意味や構造が分かっている英文をひたすら音読したこと」から始まっています。音読しながら、意味や構造が頭に自然と浮かぶまでひたすら反復練習です。この瞬発力をつけるのがすごく大事だと思うんですが、これを生徒に伝えたところで生徒は音読を一生懸命にやるかと言えば、それはNoだと思います。

話を戻します。

生徒にはいろいろな音読方法でスラスラ読めるようにします。そうしないとこの後のretellingなんて到底できません。

4.Retelling


さて、いよいよretellingです。今回は写真を見てretellingするのではなく、富士山を説明するための絵を描きます。英単語も5語までは使ってよいことにします。

以前と同じ方法です。

生徒には次のように練習させます。
① 3分・・・retellingするための絵を描く。英単語も5語まで使ってよい。
② 3分・・・retellingの練習を始める。足りなければ絵や単語を足してもよい。
③ 2分・・・retellingの練習のみ行う。もう絵や単語は書き足さない。


生徒が実際に描いた絵です。生徒はこれを見てretellingを行います。

その後1分ずつのretellingをペアで行います。立ってやると自然とジェスチャーが生まれてきます。聞いているほうはカウンターを使って、何語しゃべったか数えます。

使っているカウンターです

教師からジェスチャーやアイコンタクトやっていていいね!と称賛すると使う生徒がだんだんと増えます。

5.やってみて


1回目のretellingの後、イラストの裏に何語しゃべれたかを書き、感想や疑問を書いて提出です。

平均すると、50.2wordsでした。中央値も47wordsなので、実感としてそのぐらい喋れていると感じました。中には120words/mという強者の生徒もいましたが・・・。

アップルの創始者のスティーブジョブズがスピーチするときは大体160words/mだそうです。英語の第2言語話者だと100words/mぐらいだと、まあまあだそうですから、中学2年生で50words/mだと悪くはないんじゃないかなと思います。

この授業で50分授業をほぼ使う感じですので、「持続可能」な授業になっているのじゃないかなと思っています。が、満足するとそこで進歩は止まってしまうので、また改善していこう!

追記

教えている学年は3クラスあるのですが、そのほかのクラスでもやってみました。

(1)平均 38.4 中央値 34
(2)平均 39.3 中央値 37

という結果でしたので、最初にやったクラスが上出来すぎていました。確かにこのクラス異様に英語ができるんです。

というわけで3クラスすべての平均は、42.0words/m 中央値40words/mという結果でした。うむ、悪くない。ということで次回に続く。











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