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自分と他人の境界がはっきりしない子

新しい学校へ移動して2か月がたちました。

学年副主任として初めて学級をもたない立場になり、学年すべての生徒が担任であり、学級担任の先生方が力を存分に発揮できるようなサポートを心掛けたりと、新しい役割に面白みを感じてきたところです。

さて、最近感じていることに、自分と他人の境界がはっきりしない子が多いということです。

久しぶりの中学1年生だからということもあるからかもしれません。

この自分と他人の境界がはっきりしない子というのはどういう子かというと・・・

(1)自分が思っていることは当然他の人も思っているだろうという思考パターンをもつ

これは自分と相手の境界線があるとすると、自分の境界線がずいぶん相手側にあるような状態でしょう。

自分が面白いと思っていることは当然他の人たちも面白いと思っているに違いないと思う傾向があります。ですので、面白いと思っていないということが分かると不満が募ります。「なぜ、面白くないの?」「ノリが悪いなあ」と考えることもあります。

自分が嫌だ・つまらないと思っていることも当然他の人たちも嫌だ・つまらないと思っているに違いないと思うわけです。

(2)周りが怒られていると、自分が悪くないのに、怒られている気持になり、気分が沈むような思考パターンをもつ

これは自分と相手の境界線があるとすると、自分の境界線が自分側にありすぎるような状態でしょう。

まわりの生徒が怒られていると、まるで自分が悪いことをしたような気持ちになり、気持ちが落ち込んでしまう・・・。共感力が高いとも言えます。

中学3年生をもつことが多かった自分にとって、この自分と相手の境界線があいまいな子が多いというのはすごく厄介な問題で、生徒との対応において気を付けないといけない事項であると考えています。

生徒が良かれと思ってやったことが、相手にとって迷惑なことってよくあると思うのですが、それが受け入れられなかったときには、ショックを受けたり、こっちは善意でやってやっているのにと不快感を覚えたりします。良かれと思ったことがすべての人が受け入れてくれるわけではないと、教師が諭しても、理解するのに時間がかかることがあります。

また、全体に対して叱ったことが、まるで自分だけが怒られたような気持ちになり、学校が怖いと感じて登校できなくなるというパターンもありました。

この自分と相手の境界のことを調べてみると、「自他境界」という用語があるようです。

自他境界があいまいな状態は発達障害でよくみられるものだそうです。中1とはいえ、発達には凸凹があるので、そういった状態がまだ見られるのは不思議なことではありません。

オトナだってそういうことはよくあるでしょう。

「私がこんなに好きなのに、受け入れてくれないなんておかしい!」

「友達が大変な目にあって、お話を聞いていたら自分も共感してしまい、涙が止まらなかった」

さて、この自他境界を作るためにはどんなことをしたらよいのでしょうか。ChatGPTに質問してみました。


1. 自己認識の強化

  • 自己分析: 自分の感情、思考、欲望を日記やメモに書き留めることで、自分自身をより深く理解する。

  • 瞑想: 瞑想を行うことで自己の内面に意識を向け、自分自身の感情や思考に気づく。

2. 健康なコミュニケーションの実践

  • 明確な表現: 自分の意見や感情を率直に、具体的に表現することを練習する。

  • アサーティブネス: 自分の権利やニーズを他人に尊重させつつ、他人の権利やニーズも尊重するコミュニケーションスタイルを学ぶ。

3. 境界の設定

  • 物理的な境界: プライベートな空間や時間を確保し、他人との距離を適切に保つ。

  • 心理的な境界: 他人の感情や問題に巻き込まれすぎないように、自分の感情と他人の感情を区別する。

4. プロフェッショナルの助けを借りる

  • カウンセリングやセラピー: 専門家の助けを借りて、自己理解を深めたり、自他境界をはっきりさせるためのスキルを学ぶ。

5. 他者との関係の見直し

  • 関係の評価: 自分にとってストレスになる関係や境界が曖昧になりがちな関係を見直し、必要ならば改善する。

  • サポートシステム: 自分の成長を支えてくれる健康な関係を築く。

6. 自己ケア

  • ストレス管理: 運動、趣味、リラクゼーション法を取り入れてストレスを管理する。

  • 健康なライフスタイル: 十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動を心がけることで、心身の健康を保つ。

7. 具体的な技術の習得

  • 境界設定の練習: 「NO」と言う練習をする、他人の要求を受け入れる前に一旦考える時間を持つなど、自他境界を明確にするための具体的なスキルを練習する。

これらの手立てを通じて、自他境界をはっきりさせることができます。個々の状況に応じて適切な方法を組み合わせることが大切です。



なるほどとうなずけることが多いです。さて、これを生徒にどうおろしていくかは、教師の腕の見せ所でしょう。

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