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プレゼントを探すふりして

最近、家族や友人の誕生日プレゼントを前もって用意するようになった。

働いていたころは日々が流れるように過ぎていたので、誕生日直前に思い出して急いでお店に駆け込むことがしばしばあったのだけど。


そう、私はまだ働いていない。
いまは専業主婦という肩書に甘えさせてもらっている。
しばらくnoteを離れていた間も、のんびりのんびりと暮らしていた。

そんな週の半分以上が予定のないスケジュールを過ごしていると、
たまに来るイベントにわくわくするようになってきた。


今年、父は還暦を迎える。
「誕生日プレゼント何がほしい?」と尋ねると、
「本がほしい」と返事が。

日本の古美術やルネッサンス、エジプトの学術的な歴史資料がほしいんだとか。

うーん、それはどこで手に入るのだろう。
頭を悩ませながら、とりあえず思いついた少し大きい書店へと足を運んでみた。

芸術コーナーをうろちょろ、
写真集コーナーをうろちょろ、
慣れない本たちを前に、ひとり頭を抱える。
父からリクエストされた本のイメージが湧かないので、実際に探しに来ても答えがわからないな。

これは難しいお題を出されたぞ…

父の誕生日まで1ヶ月以上あるので、今日は諦めることにした。


店を出る前に文芸コーナーに立ち寄った。

一時期、感情が揺さぶられるストーリーを受け付けなくなったことを機に、平穏な日常を掬い取ったエッセイの面白さを知った私は、書店に入ると新たなエッセイを探さずにはいられないのだ。
特に、エッセイの面白さを教えてくれた益田ミリさんの本は毎回チェックしてしまう。

そして今日購入したのは下の2冊。
どちらも益田ミリさんが書かれたものだ。


痛い靴のはき方
慣れないヒールをはいて、右足の小指が靴擦れて痛い私にピッタリ!と思い手にとった。そして意味の分からない運命を感じて購入。いつも直感を頼りに生きている。

ちょっとそこまで旅してみよう
以前購入した「47都道府県女ひとりで行ってみよう」と同じ旅シリーズだと気になり購入。ちなみに、47都道府県~(略)の本を読んで「私もひとり旅するぞ!」と決意してから半年以上経つが、いまだに実行できていない。これを読めば、旅する気になるかしら。


2冊の本をエコバッグに入れて、ほくほくとした気持ちで満足げに店を後にした。読みたい本を数冊抱えているときって、なんでこんなに満足感が強いんだろう。

結局、父の誕生日プレゼントは迷宮入りのままで、自分の本だけ購入して終わった。
でも大丈夫。まだまだ時間はあるから。

そうやって、あと何回か父のプレゼントを探すふりをして自分の読みたい本を探しに来るのだろう。

時間があることで新しいプレゼントの探し方を楽しめるようになったのだ。

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