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図書館と女の闘い

もっと本が読みたい。

そう思って、今日は午後から図書館へと足を運んだ。
益田さんのエッセイにハマってから、本を読むことがまた楽しくなったのだ。


図書館のぎっしりと本が詰まった本棚を久しぶりに目の前にすると、胸が高鳴った。本棚が一定の間隔で並ぶ部屋の中を進む。歩くリズムに合わせて気持ちが高揚するのを感じた。

相変わらず図書館の中は静かで、年配の方が多い。
本棚の横に置いてある椅子に座って、新聞やら分厚い書籍やらを読んでいる。

きっとこの方々は毎日通っている常連さんなんだろうな。
みなさん、知識に貪欲な"本の虫"って感じがする。
もっと若い男の人がいたら私も毎日通うんだけどなあ。

などと失礼なことを考えながら、気になる本を求めて探し歩いた。


本を借りて図書館を出ると、暑い。夕方なのにまだこの暑さか。
調子にのって5冊も借りた本の重みで、エコバックが手の平に食い込む。

暑さと本の重みに耐えながら思い立った。

そうだ、カフェに寄ろう。


寄り道したカフェは、レコードからポップな音楽が流れる洒落た雰囲気。以前にも来たことがあるのだが、イケメンなお兄さんが1人でやっている小さなお店だ。

よく平日の昼間に行くのでお客さんは私だけなことが多い。

でも、今日は違った。


中に入ると、女性のお客さんが2人静かに待っている。それぞれ1人客のようだ。
1人は椅子に座って、もう1人は入り口近くに立ってコーヒーを待っていた。


その2人の微妙な距離感のせいか、えも言われぬ雰囲気のせいか、
入った瞬間に「お、修羅場か?!」と驚いてしまった。
女性客2人と店長さん1人の三角関係の図がパッと浮かんだのである。

椅子に座っている女性は、アラフォーくらいでバリバリ働いていそうな様子。ショートカットで凛とした風格のある女の人である。

対してもう1人の女性は、アラサーくらいでふわりとしたロングヘア。ワンピースが良く似合う優しい雰囲気だ。

ひげパーマのイケメン店長をめぐる、サバサバ女子とゆるふわガールの闘い。わくわくするじゃないの。女の闘いってドラマになる。


そんな下世話な妄想を膨らませていたら、私のテイクアウトコーヒーができてしまった。残念。
とまらない妄想に後ろ髪をひかれつつ、お洒落なカフェをあとにする。

今度同じ時間帯にあのお店に行ったら、女性2人とまた遭遇しないかしら。もしそんなことがあったら、次は私も第3の女としてバトルに参加してみたい。

そんなことを考えてクスっとなる、妄想癖のある主婦であった。

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