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おかき
2022年9月16日 01:36
窓の外が、白んでいた。 普通に生きていれば、気付くことのないくらい、薄い白がべったりと。青空を映す窓に張り付いていた。 それに気付くことが出来たのは、毎日ただただ本を読み、横目で外を眺めていたからだろう。 僕は紐に本を委ねて。青い座席のシートを立った。 ボックスシートの間を抜けて、足を掬われぬよう一歩一歩を踏み締める。 誰一人として目を向けず、手の中で画面の先のダンスを見てば