見出し画像

【読書】東海道四谷怪談(ストーリーで楽しむ日本の古典)

2023年1月21日(土)、岩崎書店の「ストーリーで楽しむ日本の古典」シリーズ『東海道四谷怪談』を読み終わりました。

お岩さんと伊右衛門の名前は有名ですが、私は、原作を読んだことも、歌舞伎で観たこともありません。今回、金原瑞人さんが、鶴屋南北の原作を、ダイジェスト版としてアレンジしており、楽しんで読むことが出来ました。

メモに残したいことはたくさんありますが、外側からコツコツと記載してみようと思います。

■金原瑞人(かねはら みずひと)さんについて

 本の著者紹介によると、翻訳家、法政大学社会学部教授とあります。そして、「歌舞伎や古典落語にも造詣が深く、特に江戸から明治の怪奇小説に関心がある」と記載されていました。確かに、この「ストーリーで楽しむ日本の古典」シリーズでも、本作の他に『雨月物語』『牡丹灯籠』『真景累ヶ淵』といった怪異小説・怪談・怖い話を担当されています。
 そして、Wikipediaを調べたところ、芥川賞作家の金原ひとみさんの実父とありました。一番の驚きです!
 確かに、作風など、言われてみればと感じる部分もあります。

■『東海道四谷怪談』について

 Wikipediaによると、「四谷怪談」は、元禄時代に起きたとされる事件をもとに創作された日本の怪談とあります。
 そのうち、『東海道四谷怪談』は、(本のあとがきによると)歌舞伎の名作で、作者は四代目鶴屋南北、1825年、江戸中村座で初演されました。
 そして、『仮名手本忠臣蔵』の番外編として作られた側面もあるようです。そのことも、次の項目でメモっておこうと思います。

■『仮名手本忠臣蔵』と『東海道四谷怪談』について

(1)忠臣蔵(本より抜粋)

 元禄14(1701)年3月14日、赤穂の殿様、浅野内匠頭が殿中で刀を抜いて吉良上野介に切りかかって、切腹を命じられ、お家は取りつぶし。元禄15年12月14日、赤穂藩の義士47名が吉良の屋敷に討ち入って、主君の仇を討った、という事件。

(2)『仮名手本忠臣蔵』

 忠臣蔵の事件をもとにした人形浄瑠璃や歌舞伎の作品の決定版。竹田出雲・三好松洛・並木千柳の合作。江戸時代の事件であるが、設定を室町時代の初期に置き換えるとともに、浅野内匠頭は塩冶判官、吉良上野介は高師直という名前になっている。

(3)『東海道四谷怪談』との関係

 主人公、民谷伊右衛門は塩冶判官の家来という設定となっている。

■今回の本について

(1)あらすじ

 脇筋をなるべく省いて、ふたつにまとめていました。ひとつは伊右衛門とお岩の話。もうひとつはお岩の妹のお袖と直助、与茂七の三角関係。

(2)お岩の気持ち

 お岩の顔の片側が崩れている(腫れている)という設定は知っていたのですが、どうしてそのような顔になったのかは、今回初めて知りました。話の詳細は伏せますが、「これではお岩さんも納得できないだろう。」と読みながら思いました。
 本のあとがきによると、金原さんは、「うらみ」を「悲しみ」に置き換えたとあります。お岩の台詞で、印象に残った部分を一つ引用します。

「この顔をみて恐ろしいとは思わず、悲しいと思い、おぞましいとは思わず、切ないと思う人がせめてひとりでもいなくては、この人がかわいそうです。だから、わたしはこの顔から目を背けません。恐ろしいとも、おぞましいとも思いません。くやしさも腹立ちも、しばらくは置いておきます。」

P90より

(3)その他のメモ

※個人のメモです。スルーして下さい。
・鼠と蛇
・お袖と直助、与茂七の物語は、まちがいの殺人、主殺し、近親相姦が絡まっている。
・「悪漢小説」

いつか、歌舞伎の舞台で観てみたいな、と思いました。

以上です。

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?