見出し画像

とりかえばや物語(ストーリーで楽しむ日本の古典)読了

2022年12月22日(木)、ストーリーで楽しむ古典シリーズの『とりかえばや物語』を読み終わりました。

10月に、渋谷区立松濤美術館の『装いの力 異性装の日本史』という展示で見かけたこともあり、このシリーズの中で読んでみたいと思っていた作品の1つでした。
大変面白かったです。

本の中で「とりかえばや」とは、「とりかえてほしい」と現代語訳されていました。
訳のとおり、活発な姉と気弱な弟が、性別を入れ替えて世の中に出ていくという物語です。

私は、成人前の男女が入れ違いになるという、大林宣彦監督の映画『転校生』のようなストーリーを考えていたのですが、少し想像を上回りました。
帝まで含む身分高い人たちの逢瀬(夜の逢瀬を含む)や出産、複雑とまではいかないにしても、近しい人たちの間で様々な恋愛関係が生まれる作品でした。(そのため、後半、関係に多少無理があるように感じる部分もありましたが。)

他方で、自由に生きられない女性の立場など、現代にも通じる部分がある論点も多く含まれていました。

異性に成り変わるというのは、古代からある永遠のテーマなのかもしれません。
こうしたテーマに加え、男女・親子・主従の関係や心情が丁寧に描かれ、和歌もたくさん織り込まれており、飽きずに最後まで読み進めることが出来ました。
いつか、角川ソフィア文庫などで、原文にも触れてみたいと思います。

〈メモ〉
・三瀬川(三途の川)→初めての恋人に背負われて渡ると記載されていました。

以上です。

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?