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共産党と公明党 日本政治のタマキン

「政治は民意の反映であるべきだが、日本でそれを歪めている2つの要素がある。共産党と公明党だ」ーーと言う人がいる。

たとえば「どの党に投票しますか」という世論調査をして選挙予測をしても、結果はその予測どおりにならない。共産党と公明党は予測より多く票をとる。世論調査に答えた人が実際に投票に行くとは限らないが、この2党の支持者は必ず投票に行くからだ。

共産党と公明党は、実際の大きさ以上に、政治に影響力を持っている。持ちすぎているのではないか、と。「過剰代表」だ。

日本に、組織の名に値する組織は、3つしかない。共産党と創価学会と山口組だ、とは昔からマスコミでよく言われることだ。

自民党の甘利幹事長は、さっそく野党の共産党との「共闘」を「野合」だと非難しはじめた。では、自民党の公明党との「共闘」はどうなのか。憲法改正などで意見が違うはずなのに、それは「野合」ではないのか。

幹事長が非難するのは、共産党の集票力が怖いからであろう。そして、公明党と結びつくのも、その集票力を頼りにするからだ。

共産党も公明党も、選挙で力があるのは、それだけの中身があるからだ。本来はどちらも日本の本流からは「外部」の存在である。国家神道の戦時中なら、どちらも権力から弾圧されるはずの存在だ。それが分かっているからこそ、どちらも組織に力を蓄えてきた。

共産党の戦前からの歴史はいったん忘れるとすれば、戦後、都会に集まってきた寄る辺ない人たちを組織していったのが両党だ。迫害された労働者は共産党に、労働運動に悩んだ小事業者は創価学会・公明党に組織されていく。本来は弱い立場の人たちが集まっているのだから、防衛本能のようなものを発達させている。

その防衛本能の一環として、公明党・創価学会はマスコミに深く食い込んでいる。毎日新聞・TBSとの関係は有名だが(毎日が最弱だからつけ込みやすかった。毎日グループのナンバー2は最近まで創価大出身者だった)、他のメディアも創価学会関連の出版物を扱わせてもらうなど、何らかの便宜を得ている。

オウム真理教は、創価学会の会長を暗殺対象にしていたことがあった。自分たちを攻撃する毎日新聞(サンデー毎日)の背後に創価学会がいると邪推してのことだったが、そもそもマスコミと敵対するのは宗教団体として悪手だ。創価学会も最初はマスコミと対立したのだが、マスコミと融和的になり、お布施をすることで現在の地位を得た。幸福の科学とかも政界進出を考えるならマスコミにバンバン広告を出してサービスしなければいけない(もうしてるけど)。

だからマスコミは、自民党と公明党の「野合」を批判しない。

マスコミは共産党も批判しない。共産党に関しては、戦争協力しまくったマスコミは、戦中「不転向」だった共産党に負い目があるのかもしれないが、そんなことより、やはり組織力で抗議や不買をされるのが怖いのだろう。

いや公明党も共産党も立派な政党である。

ひとつ不満があるとすれば、どちらも「護憲」勢力であることだ。特に共産党は「9条教」の中核である。どちらも「平和の党」であるかのごとくアピールしている。どちらも、最初はそんなイメージはなかったのだ。平和のために、外交活動や海外人権運動を熱心にやっているかといえば、そんなイメージもない(布教やオルグはやっているだろうが)。憲法の問題は、日本の「内部」の問題なので、「外部」の存在に邪魔されたくない、というのはある。いや、それはこっちの話。

近年、上に挙げた3つの組織、共産党、創価学会、山口組のいずれもが、時代の流れで弱体化していると言われる。

確かに、15年くらい前は、選挙日程はすべて公明党の都合で決められるとマスコミでは言われていた。公明党・創価学会が「解散する」といえば、自民党は「はい!」と言って従うのだ、と。

今度の解散総選挙で、そういう観測がなかったとすれば、安倍人気で自民党が選挙に勝ち続けたので、相対的に公明党の影響力が落ちているのだろう。

共産党と公明党は日本のキンタマだ、と言った人がいる。左のキンタマと右のキンタマ。日本の政治システムにぶら下がり、あまり多くを語られない。普段は隠れているが、この2つのタマが日本の急所なのだ、と。

キンタマには頑張ってほしいな、と。


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