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長い通勤時間から解放されて

正直な話、毎日片道1時間半ほどかけて職場に行くのは、きついものがあった。電車に揺られながら読書にふけることができるのは僕にとって大変うれしいことではあったが、仕事が忙しくなると読書どころではなくなり、だいたい寝て過ごした。電車の座席に座れたら万々歳だが、都会の混み具合では毎回そうもいかない。つまるところ、合計3時間ほどの通勤から逃れられた今、僕は心底ホッとしているのである。

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4月からは、新しい職につく。そのおかげで、通勤は車を使うことになる。

運転はとても好きだ。本を読んでいた通勤時間が惜しまれはするが、おそらく合計3時間ほどの通勤時間よりは遥かにマシなのである。なにせ、運転というのは、車を自分でコントロールするということだ。「通勤」というものが自分の操作範囲にあると、それはそれでなんだか僕は気持ちが楽に感じる。

そう考えると、昨日までの電車通勤に僕はもう戻ることができないような気がする。

車通勤になったら、運転しながら何をするだろうか。

音楽を聴く。
ラジオを聞く。
無音でドライブを楽しむ。

そんなところだろうか。

残念ながら、この選択肢の中にオーディブルのような本の朗読という最近の類は入ってこない。なぜか、僕は朗読を聞くのが苦手なのである。聞いても、頭に全然入ってこない。たぶん向いていないのだ。だから、オーディブル以外の何かで、これからの通勤時間を楽しむのである。

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本当のことを言えば、僕の理想の通勤スタイルは「自転車」だ。ちょうど一年前は、毎日風をきって職場に赴いていた。気持ちの良い日もあれば、雨の日なんかはずぶ濡れだったが、だいたいが晴れの日でなんとかなった。次の職業柄自転車での通勤はかなわないが、またいつかできる日が来るのではと期待はしておく。

自転車の何が良いかというと、やはり体を動かすという点にあると思う。
朝一番ではあるが、仕事前に体を動かすことができる。通勤時間を活用して、効率よく運動できるのだ。怪我をしたとしても労災がおりるし、素晴らしい時間の活用方法だと思う。電車の中の読書も悪くはなかったが、自転車でできる運動には敵わない。やはり人間は昔から変わっていなくて、体を動かさないことには調子が狂ってしまうのかもしれない。

そういう意味では、車での通勤もまた調子を崩しかねない。現代の問題の一つで「座りすぎ」というものがあるように、運転もまた体を動かさないわけである。だから、僕らは意識的に体を動かさなければならない。昔は何をするにも体を動かさなければならなかったが、今はそんな時代になったのだ。

実のところ、僕も今は体調が優れない。環境の変化というのももちろんあるのだが、その原因の一部にはやはり運動不足というのがあると思う。忙しさや長い通勤時間を理由に、僕は運動する機会がなかなか取れなかった。せっかく丈夫な体に育ったのだから、使わなければ損である。そんどころか、運動をしなければ体の調子が狂うので、害である。

ジョギングでも良いから、かつての運動習慣を取り戻したいものだ。

2024.03.31
書きかけの手帖

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