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「年齢×1分」「おやつOK」がコツ!「天才ノート」で頑張りすぎないおうち学習をはじめよう

お話をうかがったのは……

岩田かおりさん

株式会社ママプロジェクトJapan代表取締役。3人の子どもを育てるお母さんでもあります。
幼児教室など、教育業界での仕事を経て、独自の教育法「かおりメソッド」を開発しました。そのメソッドは「ガミガミ言わずに勉強好きな子どもを育てられる」と子育て世代の支持を得て、受講生は全国でのべ5000人を超えています。2018年には多くの人にパワーと勇気を与えた功績を称えられ、ワーママ・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。
岩田さんが考案した「天才ノート」は、家庭学習を無理なくはじめる方法として大人気です。電車や恐竜、アニメ、ゲーム、スポーツなど、子どもが好きなテーマで問題を作り、解いていく中で、自主性、創造性が育まれていくといいます。「天才ノート」を実践しているご家庭からは「学習習慣が身についた!」「子どもを叱らなくてよくなった!」という喜びの声が届いています。
今回は、「天才ノート」をはじめるメリットや、おうち学習をうまく続けるコツについて、やる木族が根掘り葉掘りおうかがいしたいと思います。

やる木族の「天才ノート」太鼓判ポイント

  1. 勉強嫌いな子でもチャレンジできる

  2. 学びの入り口の低学年にとくにおすすめ

  3. 親も楽しい


見習いやる木族ミムラ(以下ミムラ) というわけで、新連載はじまりました!

先輩やる木族ナカイ(以下ナカイ) はいはい。

ミムラ ちょっと、ナカイさ~ん。なんかテンション低くないですか? やる気あります? やる木族がやる気をうしなったらおしまいですよ? 存在価値ないですよ? やる気だけが取り柄ですよ?

ナカイ いやいや、ちょっと心配なことがあってね。ミムラくん、わかってる? 今日が連載1回目だよ? この連載は「子どもに勉強してもらいたいけど全然うまくいかない」「いろんな教材を試したけど子どもが勉強してくれない」っていう方に読んでほしいわけ。1回目からワーママ・オブ・ザ・イヤーを受賞したスーパーお母さんが作った「天才ノート」って……「ハードル高っ!」ってならない? 初回はさ、子育ての愚痴をひたすら聞いてくれる居酒屋の親父さんがゲストで良かったんじゃない? 「親父の居酒屋ノート」、どうよ、これ。

ミムラ えー、親父の居酒屋ノート? 疲れたお父様方はともかく、やる気にあふれた子どもたちの支持は得られなさそうです……。

居酒屋ノート

親の意識次第で子どもが変わる! これからの時代に活躍できる「天才」とは

岩田かおり先生(以下、岩田) ちょっと待ったー!!!!

ナカイ わ! 突然の登場!

ミムラ あ、岩田さん、ようこそ~。

岩田 ナカイさん、「天才ノート」の「天才」って、知能指数とかテストの点数が高いって意味じゃないんですよ。そして、私も居酒屋は大好きです!

ナカイ なんですと?! 一杯目はビール派ですか? サワー派ですか?

ミムラ ナカイさん、そこじゃない!

岩田 強いて言うならハイボールですかね。

ミムラ 岩田さんも違う! ツッコむのが忙しいです!

岩田 失礼しました(笑)。「天才ノート」の天才というのは、与えられた才能や、自分の興味関心を知っていること、それを自分で開花していける人のことなんです。「天才ノート」は、そんな子どもたちを育てていきたいという思いから生まれた家庭学習の方法なんですよ。

ミムラ 「天才ノート」と「しゅくだいやる気ペン」は、子どもの好きなことや興味関心をきっかけに、学ぶ力を育てていくというアプローチに共通点があるなあと思っています。

岩田 そうなんです。だから今日はやる木族のみなさんとお話しできるのをとても楽しみにしてきました。 

子育てが苦しくなる価値観にはサヨナラしよう!

 ミムラ 「天才ノート」のために用意するものは「ノート」と「赤ペン」だけ。とても手軽ですよね。

天才ノートのつくり方はこちらで詳しく紹介しています。

親が「勉強しなさい!」と言わなくても、子どもが自ら学ぶようになる「天才ノート」の作り方!(小学生編) - コクヨ書き方の記事作成

コクヨマガジン

岩田 私は、学びへのハードルをできるだけ下げる工夫をすることが大事だと思っています。でも、今の親御さんのハードルってすごく上がってしまっていますよね。それは、子育て本をはじめとして、手に入る情報が多すぎるせいだと思うのです。

岩田 たとえば、天才ノートを「やってみよう」と思った方が、いろんな子ども新聞を取り寄せてどの新聞がいいか読み比べる。そのうち疲れてやる気がなくなってしまう。そういう話はよくあります。だから、まずは、ゆるく考えてほしいのです。正解でなくていい。まずは、普段から家にあるものを選んだほうがいいと思います。家庭学習では完璧や最高の教材を目指さない、というのは親子で苦しくならないための大切なポイントです。 

ミムラ 「年齢×1分からはじめる」というのもポイントなのかなと思いました。

岩田 そうですね。一般的に学習時間は「学年×15分」などと言われたりしますが、それって机に向かって勉強することを指しているのかなと思います。私は「学習」は頭の中が動いているすべての時間のことだと思うんです。そういう意味では子どもって本当にずーっと頭を動かしてる。「どうやったらおやつをたくさんもらえるか」「どうやったら早く遊びに行けるか」「どうやったらこのゲームで勝てるか」。

岩田 「忙しくて子どもの勉強を見てあげられない」という相談は多いのですが、学習を広くとらえ直すといいと思っています。じつは、一緒に生活しているだけで子どもは親から学んでいます。でも親はなかなかそう思えないですよね。だからまずは親御さんたちの「家庭学習」のハードルを下げたいと思いました。それで「年齢×1分からはじめましょう」とお伝えしています。これはつまり、子どもが勉強を嫌いにならないための時間設定なんです。

ナカイ なるほど。子どもはおもしろいことだったら時間を決めなくても1時間でも2時間でもやりますよね。「机に向かって勉強させる」って考えるから「最低10分」などと言ってしまうけど、「ゲーム」も「マンガを読むこと」も家庭学習だと考えれば「うちの子、めちゃめちゃ学んでる!」って思えますね。

「勉強するよ!」でやる気を出す子はいない! 簡単な工夫で勉強タイムがスムーズに

ミムラ 天才ノートをうまく活用しているご家庭は、学習をはじめるときにどんな工夫をされているんでしょうか。

岩田 一番のおすすめは「おやつを食べながらやること」でしょうか。

ナカイ ミムラくんもおやつ食べながら仕事してるよね。

ミムラ うっ……。そのほうが集中できるんです。

岩田 いいですね。大事なのは頭の中が動いているかどうかですから。「おやつを食べながら」のいいところは、いつもの生活の中で、自然に学習時間に入れるところです。「今から30分は勉強タイムよ!」と親が号令をかけるようなやり方には無理がありますが、夕飯のあとのデザートタイムに「ノート持っておいで―」「宿題持っておいで―」といえば、自然ですよね。

100回の他者からのアドバイスより、1回の自己決定が子育ての財産になる

ミムラ 先ほど、現代の子育てには情報が多すぎるというお話しもされていました。岩田さんは情報に振り回されるということはなかったんでしょうか。

岩田 子どもたちが小さかったころは、今ほど子育て本も多くなかったし、インターネットで情報を集めるということもありませんでした。だから、情報が多すぎると感じることはなかったですね。とはいえ、子育てって正解がないものだから、迷ったり不安になったりしたことはあります。

ミムラ お子さんが小学生くらいのときには、どんなことで悩まれましたか?

岩田 長男が低学年のころ、吃音を直すための専門機関へ通うことを勧められました。でも、長男を見ていると、話しにくい言葉をうまく違う言葉に変えて話していたんです。私はそれでいいと思って、その専門機関へは行きませんでした。直したり矯正したりすると、子どもはそれを「ダメなこと」「マイナスなこと」と捉えてしまいます。そういう感覚を子どもに植え付けるのは嫌だなと思ったんです。

岩田 小学校6年生になって、長男が運動会の閉会宣言を全校生徒の前で堂々としているのを見て、自分の決断は間違っていなかったと自信を持つことができました。もし、あの時自分で決めていなかったら、その自信は持てなかったと思うんです。アドバイスに耳を傾けることや、良さそうな情報を試してみるのが悪いことだとは言いませんが、100回アドバイスをもらうことよりも、自分で考えて決める1回の経験が、子育てに力をくれると私は思っています。

大切なのは、「真剣」になっても「深刻」にならないこと

ナカイ なるほど。どれだけ良いアドバイスをもらっても、自分でやってみなければわからないことはたくさんありますよね。僕たちも、どうやったら学びたい親子にやる気ペンを届けられるかと試行錯誤してきましたが、実際にユーザーの方とお話ししたり、子どもが使っている姿から学ぶことはとても多かったです。岩田さんも悩みながら子育てをされてきたというのは、子どもを育てる親の一人としても、とても励まされました。

岩田 そうですね。正解がないのですから、悩むのはあたりまえ。でも、ギリギリまで自分を追い詰めないように気を配ることは、とくに子育ての中では大事だと思います。追い詰められている親は、子どものことも追い詰めてしまいますから。自分も子どもも追い詰めないためには「本当に大切なものが何か」を問いかける時間を持つことが何より必要なんですけれどね。その余裕を持つことがいちばん難しかったりしますよね。

岩田 私はよく思い詰めたお母さんたちには「ゆるさマントを着よう」って声をかけています。親子関係がギスギスしてきたときほど、「小言はもう言わない」などの、お母さんの「ゆるさ」が助けになるんですよね。天才ノートをはじめたことで、親子関係が良くなったという声もよくいただきます。子どもが親からコメントをもらったり、一緒に問題を考えたりする中で「うちの親っておもしろいな」って思えたり「こんなこと知ってるなんてかっこいい」っていう気持ちが芽生えたり。親の人間的な面を子どもに伝えることができるというのも「天才ノート」のポイントだと思っています。

ミムラ 岩田さん、ありがとうございました。家庭学習というと「最低何分はやらせなきゃ」「この単元までは終わらせないと」と親御さんがプレッシャーを感じてしまうことはあると思います。でも、机に向かうだけが勉強じゃない、おやつを食べながらだっていい、というアドバイスがとても響きました。

ミムラ ナカイさん、それでは、締めの一言をお願いします。

ナカイ それでは、僭越ながら……。「天才ノート」にやる木族の太鼓判、押させていただきます!

岩田 ありがとうございました。良かったら、やる木族おすすめの居酒屋教えていただけませんか?

ナカイ よくぞ聞いてくれました! 品川駅にですね……

(続く……)

取材・執筆 岡田寛子


「しゅくだいやる気ペン」ってなに?

公式サイト|kokuyo.jp/yarukipen

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