記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。

映画「パプリカ」がヤバかった

近所のゲオに行って来たらそれはあった。
そう、「パプリカ」。
というのも、劇中の音楽を平沢進さんが担当していたから認知はしていたし、是非拝見したかった。
しかし、なんせ2006年に発表されたもんだから見ようにもレンタルDVDショップにあるかは難しいとこだった。が、まさかあったのだ。これはもう即決でしょ。

 ということで見始めたのだが、時期的に実家の帰省中で、家族のいるところで半分くらいまで見たので、気まずいどころの話ではない。パプリカはエロスの塊だしパレードはカオスだし、みなドン引きよ。後に知ったことなのだが、パプリカは推奨年齢があって、年の離れていて推奨年齢以下の弟もいたからなお気まずい。なんで家族の前で見たんだよ。いまだに後悔している。
 そして、家族と見ていた時は何故かパプリカと千葉敦子さんの声が全く聞こえなくてDVDかプレイヤーが壊れたかと思った。調べたところ、DVDの特典で「パプリカのセリフをアフレコしよう」的なものが付いており、どうやらそちらの方が再生されていたらしい。なんてこった。

 制作会社はマッドハウスでなんとあのフリーレンを作っているアニメ会社である。監督は今敏。

 本題の感想だが、人は選ぶだろうが自分としては好きだった。いわゆる森見登美彦さんの「熱帯」や、宮﨑駿監督の「君たちはどう生きるか」系の、意味が分からないものを壮大に見せられて圧倒する部類である。
 ここからは一応ネタバレ注意。
 まず語らなければいけないのは、主人公のパプリカであろう。彼女こそエロスの全てであり、擬人化であり、権威であり・・・・・・。あんな魅力的な女性そうそういない。粉川刑事が惚れてしまうのも頷ける。それに対して現実世界の分身?である千葉敦子は神経質でつまらないつまらない大人というイメージだった。だからオープニングでパプリカが自動車に乗ったとき千葉敦子に変わったのは少し拍子抜けしたというか・・・・・・。まさか千葉敦子≒パプリカだったとは。
 しかし、千葉敦子も食えない人で、時田に対するツンデレだったのだ。パプリカに指摘されるまで気づけなかったほどである。時田にあんなに強く当たっていたのは好きの裏返しだったのか。いやいやいや流石にあれはわからない。ラストには潔く?時田と籍を入れているし。でも、最終的には不器用でかわいい人と印象が改まった。もうある意味おもしれー女だよ。
 他に印象深かった人物は島(以降所長と呼ぶ)だ。所長のことは映画を見る前から某ネットミームの「オセアニアじゃ常識だよ」で知っており、どれだけ狂っているマッドサイエンティストなのだろうと期待を寄せていた。だがパプリカの活躍で早々に意識を戻されて最後までパプリカ達と共闘していたので、これはこれで良きであった。信頼できるおじちゃんと自分の中で株が爆上がりした人物だった。

 内容や演出についても触れていく。
 好きだったシーンは冒頭のパプリカが街を闊歩するところだが、パプリカの不思議な移動能力や、自由奔放な足取りがとても魅力的だった。
 自分が興味を寄せているものの一つとして夢があるのだが、夢のシーンも実に興味深かった。粉川刑事の、繰り返し同じ夢をみるけれど若干違う内容になっているところだったり、千葉敦子の、夢から覚めたらまだ夢の中だったというエピソードだったり、自分の視点が他の人にいつの間にか変わっているなどが、「夢あるあるだな~」と思った。また、夢とは違うが、粉川刑事が運転中に気分を悪くしてしまう場面も、「確かにああいう視線になるなー。特に文字の書いてあるところも妙にガン見してしまうよな」と勝手に納得していた。
 パレードについては、最早言うまでもない。魑魅魍魎の奇天烈で、ただただ圧巻である。そこに組み合わさる平沢進の電子音楽が融合性高すぎる。今からでも平沢さんを起用した人にスライディング土下座をして謝礼を申し上げたい。パレードに憑りつかれた人々の支離滅裂なセリフも見ものである。ていうかあれは誰が考えついたのか?まるで平沢さんのツイートを音読されているかのようだった。

 結末だが、まるっきし理解できなかった。パプリカが大きな女の子になったかと思えば、急に黒幕を吸いだして成長するのだ。意味が分からない。「男には女を」パプリカはそう言ったが、なんも説明になっていない。所長の「黒幕が分かったんだ。大団円は間近だよ」にはなんとも心強かったが、所長すらもあんな結末は予想できなかっただろう。まあ夢ならなんでもありってことか。結局のところは想像力なのかもしれない。
 それにしても、パプリカの、ピエロ、悟空、妖精、人魚などと、ころころ変わていく姿は見ていて楽しかった。

 訳が分からず新年早々狐につままれたような気分になったが、それはそれで楽しかった作品だった。あんな大作、最近じゃ「君たちはどう生きいるか」くらいだろう。もっと増えてくれないだろうか。いやもしかしたら知らないだけであるのかもしれない。どなたか教えてくれる方いないかなぁ。
 「パプリカ」は原作もあるらしいので、そちらも読まねば。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?