いつまで続くかな、寝かしつけ

わたしの隣で、天井を見つめて、ただ静かにゆっくりと瞬きをしている。いつもなら、眠くなるとくるりと背中を向けて、その姿勢で「絵本はもういいの」と伝えてくれるのだけれど、きょうは昼寝をしたせいで、うまく寝付けない。そうなるだろうと分かってはいた。だから、私は目を閉じて、娘が眠るのをじっと待ってる。もちろん、台所に残された片付けや眠るまでにしなくてはならないことが気になって、心の中は落ち着かない。そろそろ寝てくれないかな…。

ベッドに入って、寝付くまで、1時間以上経っていた。ため息が出るけれど仕方がない。洗ったままの食器を拭いて、鍋を片付け、絵本を本棚にしまった。寝かしつけなんて、いつまで続くんだろうと思いながら。

けれど今日は、少し気持ちが凪いだ瞬間、いつもとは違う気持ちがふわりと浮かんだ。「この寝かしつけの時間を味わえるのは、わたしだけなんだ」と。いつも休む暇もなくしゃべり続けている娘が、口を真一文字に結んで、天井を仰いで何を思っているんだろう。なかなか眠れないことを不安に思っているのかもしれないし、ただ、眠りが訪れるのを待っているだけなのかもしれない。ときどき我に返ったように、となりにいる私に寄ってきて、腕に額をくっつけてみたり、手をつないでみたり。そんなふうに温もりを求めてくる。

今日の寝かしつけの1時間。なんだかいい時間だったと思う。いつもわたしばっかり大変な思いをしてるって、正直そう思ってた。でも、意外とそうでもないらしい。わたしだけの特権、か。そろそろ私も寝ようかな。

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