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【軍事】空想科学『モビルスーツの軍事科学的考察』第2回/MSの主兵装に関する考察

(全6,666文字)
本記事は完全に空想・趣味のお話です。
はじめてご覧になられる方は、まず第1回記事を先にお読みいただけますと、内容がより理解しやすくなるかも知れません。留意事項などもそちらに記載しておりますので、併せてご理解ください。

(過去記事はこちら↓)

いないとは思いますが、二次使用はご遠慮ください。

【第2回/MSの主兵装に関する考察】

はじめに

ノリと勢いで書き始めた新シリーズですが、今まで積み上げてきた無駄な知識が功を奏して、筆がメチャクチャ進みまくってます(笑)

思い起こせば、中学生時代に当時流行ったNECのPC-8801で、PCゲーム【スーパー大戦略】(システムソフト社)を友達とやり込み、夏休みなどはうちに泊まり込みで、何日間も徹夜して終わりのない激戦を繰り返して遊んでました(笑)

小生、幼少の頃から、なぜか身の回りに【THE-March】という外国の軍事雑誌がやたら山積みになって置いてあったので、誰に読めと言われたわけでもなく、幼稚園の頃から戦闘機やら戦車やら戦闘艦艇やらに興味津々で、物心ついた頃には戦記物の本などを貪るように読みまくっていました。

さすがに大人になると自分がやりたいことも増え、読書の時間もそれなりに減りはしましたが、そっち系の知識の蓄積はいまだに続いています。

まあ、私の生い立ちなんかはどうでもいいですね。

今日もアホらしい話かもしれませんが、MSについて面白く真面目に考えてみたいと思います。

今日のお題は【MSの主兵装】についてです。

1.用語の定義及び前提

〇 火器:ピストル、サブマシンガン、アサルトライフル、機関銃、機関砲、戦車砲、無反動砲…などなど。
火薬を用いて弾頭を射出する武器全般
を言います。口径20mm以下を小火器それ以上の口径のものは重火器と区分されています。ここではMSが持つ武器の話をしますので、おおむね重火器が区分上は該当しますが、手で持つというところから、形状は人間が持つ小火器のスケールアップ版も含まれます。火器の話は非常に奥が深く、それだけで10万文字くらいの記事を余裕で10個以上は書けると思いますが、手軽にヒマつぶし感覚で読んでもらいたいので、あまり細かい話はなるべく書かずに、短く分かりやすく書こうと思います。

技術的な肝ですが、火薬を用いた火器は、発射される際に莫大なエネルギーが発生します。この際、弾丸を発射する方向とは反対方向に反作用として相当の衝撃力が発生しますが、通常は、①駐退複座装置、②砲架、③消炎制退器、④駐じょう(アウトリガーのようなもの)などを用いてそのエネルギーの殆どを吸収して「0」にするよう、うち消すようになっています。
ちょっと難しい話ですが、小さいピストルは1発撃ったらちょっと手や腕に振動と反動が来るくらいですが、大きな弾を使う猟銃などはドーンとものすごい反動が来るみたいな感じです。

それだけに、走っている戦車が、同じく的も動いている状態で射撃して当てるというのは極めて技術的に高度なものだと言えます。(走行間射撃が可能な戦車は世界中探しても極めて限られます…)
現存する技術を応用してとなると、MSの主兵装はこの火器になるのですが、細かい技術的な話は次項以降で述べます。

〇 誘導弾:一般的に言うミサイルの類です。発射すると目標に向かって飛び、自分で弾道を修正して目標にあたるものや、発射された後に誘導用の装置から電波や赤外線、有線などの指令を受けて目標に当たるように誘導されるものなどを指します。誘導機能がないものは一般的にロケット弾と呼ばれます。

〇 ロケット弾:弾丸そのものに推進剤が入っていて、射出された後は自分で飛んでいくものです。誘導弾と違って構造が比較的簡単で安価につくることができますが、火器の弾薬に比較するとややお高いです。そのかわり、発射装置が火器よりも安価につくることができます。歩兵が携帯できる対戦車火器として有名なものにRPG-7などがあります。陸上自衛隊では最近まで採用されていたドイツ製のパンツァーファウスト3(個人携帯対戦車弾)がこれにあたります。84mm無反動砲(通称カールグスタフ)も使用していますが、これは無反動砲と言う部類のもので、火器に該当します。

〇 レールガン:火薬を使用せず伝導体のレールの間磁気を帯びた弾が射出されるしくみのもので、火薬を使用した火器での物理的エネルギーの限界を超えることができると注目されています。米国では、最新鋭のステルス戦闘艦の艦載砲としてレールガンが採用される予定だったらしいですが、この武器の開発は不可能ではないけれど、当面の間は研究はすすめない(事実上の凍結)を明確に発表しました。世界各国で研究が進んでいるものの、ネックが電源で、瞬間的に大電力を必要とする装置に供給する電力を発生させる仕組みの小型化が技術的に困難なところが課題のようです。このため、MSの主武装としては適していないため、ここでは出しません。

〇 レーザー:既に米国ではAH-1Z(攻撃ヘリ)に搭載可能な対SAM迎撃用のレーザーが実用化されているともされていますが、ミサイルのシーカー(誘導装置)を無効化するていどのもの(詳細不明?)らしく、出力を向上させて直接破壊できるほどのものを作るには、やはり電源や冷却のための仕組みが大掛かりになってしまうようです。レールガンに同じく、小型軽量コンパクトなものは技術的に難しいので、この記事では取り扱いません。

〇 近接戦闘用の打撃・斬撃・刺突武器:説明はいらないと思いますが…刀や槍、斧、こん棒などの古典的なものです。

〇 FCS(射撃統制システム):ファイヤー・コントロール・システムの略です。戦車や装甲車両等に車載されている火器は、殆どがコンピュータ制御のFCS(射撃統制システム)で制御されています。(もちろんFCSを介さずにマニュアル操作での射撃ができる仕組みを残しているものも少なくありません。)単純に、目標を照準し、撃発レバーなりを引くと弾丸が発射されて目標に当たるわけですが、照準装置のクロス部分に目標が重なっている状態で引き金を引けば当たるといった簡単なことではありません。射程距離が長くなればなるほど、計算した数値を加味していく必要があります。
(風向風速、地球の自転、空気中の湿度や温度…他にも多数の要素)
簡単に言うと、FCSはこれらの計算を人間に代わって瞬時に行ってくれて、射撃が命中するように補正してくれるものです。余談になりますが、戦車の砲身の先っぽに付いている缶コーヒーのような丸いパーツは、砲身の根っこ部分からレーザーを照射して砲身の曲がり具合を検出するためのミラーで、この何万分の1かの狂いが射撃のための諸元に加算されていることになります。無骨な戦車ですが、意外とこういったところは緻密で繊細につくられています。

〇 マガジン:
雑誌じゃないです(笑)火器に供給する弾薬を入れておく弾倉(だんそう)という箱のことで、弾薬がなくなると、この箱ごと交換して新しい弾丸を装填(弾薬を火器につめること)をします。戦車や装甲車などは、もともと砲身の近くにこの弾丸をならべて収納しておき、目的に応じた弾丸を選んで自動で装填する機構が組み込まれていて、マガジン方式ではありません。MSは構造上、内容容積が狭小なので、ほぼこのマガジン方式にならざるを得ません。

〇 信管しんかん弾頭だんとう薬莢やっきょう:一言で火器のたまと言っても、小さく区分すると、これらで構成されています。細かい説明は省略しますが、輸送や管理上の安全性を確保するためにこういった分け方がされているようです。
一般的に、西側戦車の砲弾は弾丸と薬莢が一体化したもの、東側戦車(T-72系)は弾丸と薬莢が分離したもの(分離装填弾)と言われています。
また、砲兵が使用する中口径(15cm級)の野戦砲の弾は、共通の弾丸に異なる信管を取り付けて、空中で爆発させたり、地面に接してから爆発させたり、地面に潜ってから爆発させるものや、特殊信管のように電波を用いて目標との離隔量から起爆のタイミングを設定できるものなどもあります。対空機関砲の弾丸では、航空機などの目標近くに達したら自動で破裂するものもあります。(WW-2に米国で開発)

2.ザクマシンガンについて

機動戦士ガンダムのアニメの設定では、ザクマシンガンは口径120mmとなっています。劇中では大きな薬莢やっきょうが、ドンガラガッシャーン!と降ってくるシーンもありました。劇場版F-91ではMSの薬莢が人の上に落ちてきてあたって…というシーンもありましたが…。危ないったらありゃしませんね(汗)

1979年当時はまだポピュラーではなかったかも知れませんが、現代の主力戦車の砲弾は、焼じん薬莢(薬莢の大部分が射撃時に燃えてなくなる。弾底部の金属部のみが残る)で、ガンダムの劇中のような金属製のカートリッジが残って出てくるものではないらしいです。

口径120mmの戦車砲ですと…。国内で唯一、現代戦車の射撃を直に感じられる場所があるにはあります。『富士総合火力演習』です。昨年までは一般公開されていました。(小生は数回以上見ましたw)

戦車砲1発の衝撃は、YouTubeの動画で見れるイメージなどとは比べ物にならないくらい、とてつもなく凄い衝撃波が来ます。重量が数十トンもある90式戦車の車体が射撃の反動で半分くらい浮き上がる様は、見てて圧巻です。

話をMSに戻します。

ザクマシンガンの形状は、WW-1時代の機関銃のように、ドラム式のマガジン(弾倉)が特徴的です。ビジュアル的に「これマシンガンやん!」って分かりやすい形状でいい雰囲気です(笑)

プラモデルのパーフェクトグレードでは弾倉内に弾丸がきれいにドーナツ状に並んでいる様が再現されていたりします。でも、これって機械的にはとても良くできていて、目標の種類・状態に応じて弾種信管をその都度変更するには、実は理にかなった機構だったのかな?とも思えます。

ただ、ここで描いている「かけうどん式のMS」は重力下で使用するもので、サイズもやや「小ぶり(もうATって言えよ!笑)」なものとしてます。とても120mm砲を連射できるだけのプラットフォームとしての機能はもっていません。

機械の関節が複雑に組み合わさったマニュピュレーターで武器を保持して射撃をするので…。ちょっと武器側がオーバースペックっすね(;^ω^)

ここで設定しているMSの規格ですと、発射速度を毎分数十発程度に落とし、口径も30~40mmくらいが妥当かなと考えます。(敵戦車や装甲車の側面・上面・後面から有効なダメージを与えられるでしょう)

30~40mm口径であれば既存の戦闘車両用の弾薬との共有もできますし、用語の定義には書いてませんが、今流行のエアバースト弾(特殊信管付の弾頭。設定した距離・時間で弾頭部が破裂し、目標に直接命中しなくてもダメージを与えられるもの。遮蔽した目標にも有効)などもあって、空地兼用で使用できるのも強みです。

【仮定:かけうどん版ザクマシンガンのスペック】
〇 口径40mm
〇 発射速度50発/分
〇 単射・3点バースト・連射の3モード
〇 装弾数 40発(マガジン式)
機体に装着可能な携行弾丸数=マガジン×8本
〇 弾種・信管 40mm通常弾
APFSDS(徹甲弾)、焼痍徹甲弾、HE(榴弾)、エアバースト弾など
〇 120mmアンダーバレル装着可(5発ボックスマガジン式)
照明弾(IR/通常)、発煙弾、迫撃砲弾の射出が可能
〇 照準装置 複合式昼夜兼用センサー

うーん、中2感が少し足りない現実的なものになってしまったかも知れませんが(笑)これがスタンダードな標準装備でしょうか。

あとはレシーバー(銃主部)は共通にして、分隊支援用のロングバレル(長銃身)モデルや、狙撃バージョンなどもあると戦術行動に幅が増えるかな。

3.その他のオプション装備

ゲームなどでは、同じザクでも陸戦型を「Jタイプ」と言っているものが多いようです。だいたいJ型には両足にミサイルポッドが装着されていたり、ロマンの塊であるマゼラトップ砲を持っていたりします(笑)

戦車・装甲車とは違って、MSはマニュピュレータで操作可能な火器は何でも使えるところが強みなので、標準装備のザクマシンガン以外のオプション装備も豊富に準備してあげると、戦術行動に更に広がりが持てることは想像できます。

いくつか直感的にあげてみます。

【対機甲戦闘装備】
〇 VLMS/垂直発射式多目的誘導弾

箱型のケースに6発(ブロック式で任務に応じて段数は増減可)、垂直発射なので360度方向に射撃可能。対装甲目標、低空を飛行するヘリ・UAV、軟目標(非装甲車両等)の撃破に使用
イメージホーミングFF(撃ちっぱなし)式

〇 L-CIWS/低高度防空用低出力レーザー
地上高500m未満の低空域を飛行する大・中・小、各種UAV・ドローン対処用の自動迎撃システム。バッテリーは独立しているので本体の電力とは別系統。センシング用としても利用できる。

〇 センサーポッド/UAV射出用コンテナ
中~短距離用の半自律型偵察・打撃兼用ドローンを収納したコンテナ。4~12機を格納し、同時運用は4機まで。

〇 UGVキャリア/簡易障害構成システム
半自律式UGVを最大40機格納。対戦車地雷の機能と障害処理の機能を持つUGV。設定座標に自走で移動後、遠隔操作可能な監視センサーと小火器を展開。UAVとのリンクが可能。工兵職種専用の装備だが、少数(数基程度)であれば標準機体での運用も可能

〇 ECM/EWポッド
電子戦装置を収納したバックパック。これだけは運用に特殊なスキルが必要なこと、システム重量がかさむことから、他のオプションとの併用はできない。(情報収集部隊用の専用装備)

〇 接近戦用のアレコレ
鉄パイプ、木の棒、木刀、ハリセン…うそです。それなりにスタイリッシュでカッコいいデザインのやつを想像してくださいw
構造がシンプルでコンパクトなので、これはオプション装備というよりは標準装備でいいですね。本体が壊れない限りは使用制限が無いので、この種の装備は大変重要です。
実戦でも、弾薬不足でやむを得ず銃を置いて行ったとしても、銃剣だけは最後まで捨てるなというのが歩兵の鉄則らしいです。
まさか、ヒートナイフ1本で主力戦車に突っ込むわけには行かないので、本当に万策尽きた時の最後の切り札になります。

4.コンセプトデザイン

(今回はイメージイラストなしです。ごめんなさい。)

〇 標準装備ザクマシンガン
〇 分隊支援用突撃銃
〇 長距離支援用狙撃銃
〇 PDW(軽量小型サブマシンガン)

基本的にメインフレームに異なるアタッチメントを装着することで、多目的に使える仕様になっている点は、現存する軍用銃の仕様と同じです。

特に真新しいことは何一つありませんし、未知の宇宙人の技術なども使っておりません(笑)

…これで本当に戦車に勝てるんか(汗)

いや、そこは、豊富なオプション装備でなんとか(笑)

5.まとめ

今回の記事では、MSの武装のみに焦点をあわせて、あれこれ考えてみましたが、本来はセンサー&シュートが原則です。次回はMSのセンサーに関するお話を書いてみようと考えています。今回、オプションの項目でちょこっとそのあたりにも触れてはいますが。

本シリーズ、まことにバカバカしい話をつらつらと書いていますが、わたくしが勝手に超好きな事を、一方的に文章にしているだけの独善的な記事で大変恐縮です。(でも面白いからいいやw)

だいたい、10話弱ぐらいで完結できそうな感じなのですが、最終的には短編小説っぽくして模擬戦闘の場面を描いてみたいかな?と考えています。

時間があれば全オリジナルの漫画にしたいんだけどなぁ…。

もしここまで読んで頂いた方がいらっしゃったら、嬉しい限りです。

…無いとは思うのですが、もっと詳しく書いて欲しいこととか、この辺が良く分からないから細かく教えて欲しいといったリクエストや質問も歓迎しますので、お気軽にコメント頂けると小躍りして喜びます(笑)

(返信に困るコメントはごめんなさいm(__;)m)

それでは次回の続きをおたのしみに(^^)/

最後までガンダムバカにお付き合い頂きましてありがとうございました。

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