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【軍事】空想科学『モビルスーツの軍事科学的考察』第3回/MSのセンサーに関する考察

(全5,900文字)
水星の魔女Second-Seasonが面白過ぎる今日この頃。
ファーストシーズンの最終回では、30分アニメの原画量の優に3倍に及ぶ映像データだったらしいです。データストームのその先が見えそうですね。

さて、本題へ。

本記事は個人の頭の中にある『空想と趣味』のお話です。
アニメ・ファンタジー大好きおじさんが、中学校2年生のレベルで軍事科学技術を語ろうだなんて無謀な記事でもあります。

はじめてご覧になられる方は、まず第1回の記事を先にお読みいただけますと、内容がより理解しやすくなるかも知れません。

留意事項などもそちらに記載しておりますので、併せてご理解ください。

いないとは思いますが、本記事の二次使用はご遠慮ください。

(過去記事はこちら↓)

当方、いたって素人の「ふつうのおじさん」です。
記事の情報ソースは全てオープンベースの一般書籍やweb情報を参考に書かせて頂いておりますが、専門家の方が見られるとツッコミどころは満載だと思いますものの、ファンタジー大好き中2脳のおじさんが書く「お遊び記事」ですので、どうかご容赦ください。

【第3回/MSのセンサーに関する考察】

はじめに

アニメ、機動戦士ガンダムに登場するMSザクを現代風にアレンジし、現代の戦場でこれを使ったらどうなるんだ?という、とてもバカバカしいお話です(笑)

ちょっと(いや、だいぶw)公式の設定から諸元を変えたりしていじっているところもありますが、素人の脳内妄想ストーリー的な「お遊び記事」なのでお許しください。

今回は、センサーのお話です。

ザクと言えば、ブゥーン…と怪しく光る一つの「目」ですね。

余談になりますが、機動戦士ガンダムをアニメ化する企画がスタートした当時、主人公キャラのガンダムのメカデザインは何度も何度も修正を繰り返してあの形になったそうなのですが、敵役のザクのデザイン画は、実はほぼ一発で決まったそうです(笑)

細かい修正などは少々入ったようですが、基本的に最初に描かれたものがそのまま使われていたなんて、ちょっと驚きですね。

では本題にまいります。

1.用語の定義及び前提

ここではセンサーに関係する言葉について最初に一定の枠組みを決めておきます。

〇 目視などの五感:搭乗者が直接ハッチから顔を出して、自分の眼・耳・鼻・口・肌の感覚などの五感を使って、戦場の情報をじかに感じ取るもの。現代戦車や戦闘車両では無人砲塔化がトレンドですが、それは各種センサーの性能が向上したことから、最も被弾率が高いとされる砲塔(統計上、被弾の約80%は砲塔部分に集中)に人を乗せなくても済むようになったからとも解釈できます。戦車乗りとしては、やはり実際の戦場の情報は搭乗員が頭を出して感じ取らないと不安はあるようですが…。

余談ですが、過去の世界大戦中、ドイツの戦車搭乗員がソ連の対物ライフルを装備したスナイパーに装甲の薄いハッチ周辺を狙撃され、深刻な乗員の被害が出たことから、ペリスコープ(潜望鏡式の光学視察サイト)が生まれたそうです。現代戦車でも乗員の防護が課題になっているのが砲塔ハッチ周辺の形状や追加装備などからも窺い知ることができます。

〇 光学センサー、赤外線・サーマルセンサー:文字にするとちょっと難しそうですが、要はカメラです。見たままの光景をカメラで撮影し、車内の乗員が見ているモニターに投影するものです。倍率や解像度はカメラの性能にもよりますが、自然光の波長をとらえたものを通常のカメラとするなら、自然物が放射する熱や赤外線をもとに映像化するものもあります。

〇 微光暗視装置:通称スターライトスコープと呼ばれるもので、夜空の星や、遠い街の照明などの微弱な明りなどをもとに光を増幅して暗闇でも情景を映像化してみることができるセンサーです。軍事用のものはかなり性能がよろしいそうですが、民生品のものでも最近は携帯サイズのカメラでも個人レベルで夜の景色などを楽しめる写真をとったりできるものが増えてきています。

〇 アクティブIR:目に見えない赤外線を照射して、その反射を特殊なカメラで受けて映像化するものです。メリットは赤外線の照射強度によって鮮明な画像を見ることが出来る点ですが、相手も同じ受信機を持っていると照射元が暴露してしまうことです。迫撃砲などで空中にIR照射をするものを打ち上げて、地上から赤外線センサーで見るような仕組みも海外では実用化されているそうです。

〇 ミリ波レーダ:代表的なものでは、米国製のJ-STARS(じょいんと・すたーず)という大型旅客機を改造した高高度偵察用に開発されたものがあり、合成開口レーダから高出力のマイクロ波を地上に照射して映像化ができるそうです。(一般書籍では軍事研究誌でよく取り上げられています。)
その他、一般的な軍用のものでは、同じくミリ波を用いた戦場監視レーダはいろいろな種類があり、利点は、電波的に通視できていれば目標を探知できること。欠点は、アクティブセンサーなので電波を出している放射元がばれてしまうことです。身近なものでは速度違反の取り締まり装置も、一種のドップラー効果を応用したものです。

電波は地上にそのまま当ててしまうと、地上物の反射がそのまま帰ってくるので、目標の信号だけを取り出すのが技術的に難しかったのですが、デジタル技術の進歩によって、この種のセンサーの技術は飛躍的に向上しました。

現代の戦車や戦闘車両に組み込まれているAPS(アクティブ・プロテクション・システム)は、このミリ波レーダ技術を用いて、空間上を飛翔してくるATMや対戦車ロケット弾を察知し、物理的に迎撃するシステムになります。

2.MSに必要なセンサー

〇 メインモニター用の光学センサー
戦場の状況を把握し、得られた情報から最適な戦術行動を行う状況判断を下す。メインモニターから得られる情報と言うのは、その最も重要な役目を果たす機能です。実際に、陸戦では人間の眼に勝るセンサーは無いと言われています。どんなに技術が進歩して、高解像度の映像を瞬時にタイムラグなくモニターに映す仕組みができたとしても、その映像は平面上の画像にすぎません。優れた、洗練された兵士が持っている眼にはかないません。
仮にですが、超高性能なカメラ・センサーが装備できたとして、各種火器で互いに撃ちあう戦場で、被弾はつきものです。
たった1発の銃・砲弾がかすったり、致命傷ではない命中を受けた時、その衝撃力はすさまじいエネルギーがある訳ですから、精密な電子機器であるカメラやモニターに影響が無いとは言い切れません。
それらの戦闘行動を前提とした機動兵器に必要となるセンサーは、映像を撮影して投影するということに、必要な機能をじゅうぶんに備えているだけでなく、タフさが要求されます。被弾でメインモニターが一瞬でも使えない状態に陥るということは、兵士が目をつぶって敵と対峙している状況に他ならないからです。
対策としては、メインモニターが何らかの不具合が発生した時に、瞬時にサブモニターに切り替えられる機能があるなど、二重三重の機能があると良いのかも知れません。最終手段は…パイロットが外に顔を出して見るという原始的な方法になるのですが。その点では、パトレイバーもボトムズも、やはり劇中の描写は理にかなったものだったんだと今更ながらに思いますね。

〇 夜間暗視センサー
かつての戦場は夜はみんな寝てました(笑)なので、砲兵による照明弾が有効だったのでしょう、戦争映画などでよくあるシーンだと思います。現代戦でも照明弾はもちろん使うのでしょうけれど、軍事科学技術の進歩で夜間でも昼間のように情景を映像化する技術はかなり向上しているようです。民生品でも比較的手の届く価格で夜間でも見えるカメラや望遠鏡などは一般的に販売されています。(…悪用は厳禁です(汗))
戦場の夜間はもはや昼間とかわらないのかも知れませんね。
MSはいつ、どんな戦場で使われるかわからないのですから、もちろん、現代戦車や戦闘車両と同じように、夜間も見える機能が必要なのは言うまでもありません。TVアニメでは、昼間の映像も夜の映像も同じようにパイロットが見ている画面に投影されていますが、恐らくは昼間用のセンサーでとらえた画像と、夜用のセンサーでとらえた画像では見え方も変わってくるのではないでしょうか。やっぱアムロはすげぇな(笑)

〇 周辺の死角を補うサブセンサー
第1話で少し触れましたが、人型兵器であるMSは、車両に比べると不安定なはずです。ちょっとしたバランスの崩れで倒れる危険性もあると思いますし、よろけたりもするかも知れません。パイロットを守るためには、OSで機体の姿勢制御をある程度自動的に行う必要があると思いますが、この時に機体の周辺に人や車があると大変危険です。そこで、イメージ的にですが、いまいまの乗用車に標準装備されつつある衝突防止機能や、音声などで警告を出してくれる機能は有効だと思います。(戦闘行動中は恐らくほとんどの操縦手がスイッチを切ると思いますが)
基地での整備中や、ちょっとした小移動などの時間の方が、戦闘行動の時間よりも圧倒的に多い訳ですから、こういった目に見えない機能も実は重要なのではないかと思います。

〇 360度+上空監視用センサー
スマホの流通量が増加し、大量生産された結果、小型モーターの需要が飛躍的に大きくなったことが背景になっているからか、おもちゃのドローンなどの値段もだいぶん安くなったのではないかと思います。
ゆくゆくは、これら小型高性能なドローンを集団で使ってくるような攻撃方法もじゅうぶんに考えられますが、実際には戦場で民生品のドローンが使われることも少なくないようです。
MSは空からの攻撃や、背面からの不意な攻撃にはとても脆弱な機動兵器ですから、パイロットが見ていなくても警告を発してくれるような機能は必要だと考えられます。機動戦士ガンダムのアニメ劇中では、アムロの背後からキュイーンと警告音が出て、後ろから敵が来てますよ!的な演出のシーンもありましたね。
これを可視光カメラとAIの組み合わせで、移動物体を検知したときは何らかの警告音がなるとか、もっと込み入った仕組みにできるのなら、地上のどこかに膨大な供試データのサーバがあって、カメラがとらえた映像から具体的にどんなモノなのかが判別でき、脅威レベルの分析までやってくれるような機能があると鬼に金棒です。

〇 火器管制用センサー
これまでは機体に直接必要なセンサーという観点でイメージしましたが、MSは機動兵器ですから、主兵装を使えないと戦えません。
手に持っている主兵装や、機体に装着するオプションのことは前回の記事で掘り下げていますが、主兵装用のセンサーも重要な役割があります。主要な機能などの話は前項までに書いていますから、それに準じます。
主兵装用のモニターは、交戦状況をつぶさに記録しているという点で、戦闘後の様々な評価や資料の収集にも役立つ有益な情報源でもあるため、機体内の記録装置にプールされ、BIGデータなどに蓄積され、AIで管理されるようになる時代が来るのかも知れません。
また、MS用の武器は、人間が携行するサイズよりも大きくなるため、複数の安全機能が求められます。単純に目標をロックオンできるだけでは足りないと思われます。残弾のモニター、銃内部の温度検知、安全装置のロック・解除など、その仕組みは歩兵用装備の比ではない数のセンサーが必要になるのではないでしょうか。

〇 人間の五感/眼・耳・鼻・口・肌
最終的には原始的な方法になってしまいますが(汗)
機動戦士ガンダムの劇中で、アムロとランバラルが対決した時、グフのヒートサーベルがガンダムのコックピットの装甲をかすめて、その隙間からアムロとランバラルが会話をするシーンがありました。
メインカメラがやられたら、最終的にはコックピットハッチを開いて、直接眼で見ないと見えませんよね(笑)
カメラで伝わる情報は、画像だけです。戦場という場所は、恐らくですが匂いや音、ちょっとした空気の振動など、実は画像以外の情報も非常に重要な要素なのではないかと思うんです。
最初から達人という人はいないと思いますが、一度実戦を経験した兵士や部隊がとても強くなるというのは、こういった戦場の環境を直に体験し、五感を研ぎ澄まして様々な情報を得た結果そうなるのかなと、勝手に妄想してしまいます。

〇 間接的に情報を収集する機能
ここは前回でも少し書いた、UAVやUGVなどのことが関係してくるところかなと思います。
一般書籍、専門誌などを見ていても、戦場の無人化について書かれているものが多い一方において、陸上での無人兵器の運用には技術的、法的、倫理的、様々な問題や制約があって難しいと書かれているものが多いです。
しかしながら、どの一般資料を見ていても、友人・無人の混成運用をイメージする絵が多いです。
ガンダム的な発想で言うなら、人間が乗った機体にデータリンクした無人機がワンセットで動く。すなわち、NT用のファンネルやビットのようなサイコミュ兵器そのものでは?とも思えます(汗)
アニメ劇中ではニュータイプのすごい力があっての戦闘力、サイコミュシステムな訳ですので、これを普通の人間ができるか?と言われると非常に難しいのではと思うのが普通です。
ただ、全部を人間が動かすのは確かに無理な要求だったとして、現実には、AIによるサポートを受けた子機が有人機と連携するのはあるのかも知れません。

3.まとめ

今回は、MSに必要なセンサーというお題で書いてみましたが、やはり書ききれなかったことも結構残ってる気がします。って、最初から誰かに求められて書いているものではないので、これでお許しください。
本当は、センサーの話をするなら、データの伝達ややり取りが必ず発生するはずなので、私たちが普段つかっている携帯電話やインターネットなどにも共通する技術的なことも触れないといけないのですが…(そのあたり苦手分野なものでごめんなさい(;^_^A))

時間があってヒマだ!と言う方に読んでもらって、最後に「ちょっとおもしろかったかな?」と思って頂けますと、嬉しく思います。

今回も、ファンタジー大好きおじさんが、好きなことを好きなように勝手に書きまくった記事でしたが、いかがでしたでしょうか?

それでは、この続きはまたの機会に(^^)

最後までお付き合い頂きまして、ありがとうございました。

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