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預貯金を予算にとりましょう!

 家庭経営では、日々の生活費、夢の実現や予測される出費以外にも、大なり小なり不測の事態が起きるものです。そのとき、慌てないために、少しずつでも貯蓄を予算にとりましょう。
 羽仁もと子は、家庭経営の問題を具体的に説いた『羽仁もと子著作集』第9巻『家事家計篇』に、「収入一年分の準備金」を用意することで、生活の保障ができると書き、「できる限りの節約をして、だんだん準備金を作っていくように、いろいろな工夫が努力も克己もする気になるものです」と、励ましています。

人生に必要なお金、どう準備する?

とはいえ、収入をあるだけ使っていては、お金は貯まりません。住宅取得のための費用や教育費、老後の暮らしに備えてなど、「目的別」に貯蓄予算を立てるとよいでしょう。少額からでもスタートすれば、将来の大きな助けになります。まずは、ご家族で、将来の夢や計画(ライフプラン)を立て、目標額も具体的に考えてみてはいかがでしょうか。

貯金の種類
◎近い将来に向けてする貯金(短期間)
・家具、家電購入、旅行、自動車購入や買い換え

◎将来の目標に向かってする貯金(長期間)
・住宅購入、教育資金、老後の備え

◎病気やけがなどに備える貯金(生活準備金)
 社会保障制度により、不測の状況が起きても、すぐに家庭経済が立ちゆかなくなることはありませんが、いざというときの生活費として、収入の3カ月分、できれば1年分の備えを持ちたいものです。

M1-023_図_給与生活者のライフステージと貯蓄の一例

貯蓄の仕方は人それぞれ

●遠出する機会が減ったSさんは、自動車を手放すことに。自動車税、任意の保険料、車検、ガソリン代、駐車料金などの年間経費約30万円と売却代約50万円、合計80万円を生活準備金として貯蓄に回しました。

●Kさんは、「生活準備金」を総合口座の定期預金とし、普通預金が一時的にマイナスとなっても補えるように備えています(貸付利子がつくため、貯蓄額としてはマイナスになるので注意)。

●ライフプランを作って貯蓄目標を立てたものの、夫婦ともに体調を崩すなど、予算通り貯蓄ができなかったSさん。それでも、生活費を抑える工夫をして、天引き貯蓄だけは継続しました。

●Mさんは、収入が不安定なため、賞与は生活費に組み込まず、昇給分や臨時収入を貯蓄に。

●Aさんは、教育費の備えとして、学資保険のほか、児童手当や祝い金を貯蓄。

●2人の子どもが、中学から大学卒業までの10年間、教育費にいくらかかるか概算し、学資保険(2人で合計200万円)を含めて800万円を準備したいと考えたHさん。6年間で400万円貯めることを目標に、パート代をすべて貯金に回しました。

[計画的な貯蓄の実現へ] 貯蓄できるスリムな暮らしのヒントは? 

家計編:ふくらみがちな支出を抑える①衣服費(衝動買いをなくす)
②交際費(例:ママ友との外食を持ち寄りごはんに)
③娯楽費(例:週末ごとにショッピングモールに出かけるのではなく、お弁当をもって公園へ)
固定費の見直しを
①勧められるままに入っている保険
②通信費(料金プラン、インターネット回線など)
③自動車費(使用頻度によっては、カーシェアなど)
④光熱費(電力会社の変更、省エネ家電へ買い替えなど)
⑤住居・家具費(住宅ローン、家賃の安いところへの引っ越し)
気持ち編
①先を見据えて、身の丈にあった暮らしを
②習い事や塾通いにも方針を持つ
③物欲を整理する(これが難しい)
④心が健康であるように
生活編:
①「ない」生活=場所をとらない。お金がかからない。よくばらない。迷わない。この4つの「ない」は、モノを少なく持つことから生まれる。
②苦手な家事は。パターン化して合理的に

「生活費を見直すポイントを考えてみる」も参考にしてください

まとめ 「貯金はしなくてはならない」と思えば、できる!!

 家計簿を考案した羽仁もと子は、「もしも、自分の家の収入が今より一割少なかったどうするだろうか。それでも必ず暮らしていくにちがいないのですから、貯金というものは、できないと思えば収入が多くてもできないものであり、しなくてはならないと思えばまた必ずできるもの」(羽仁もと子著作集『家事家計篇』)と書いています。こちらの記事もぜひ参考にしてください。

 家計簿をつけていても貯金ができないという声を聞くことがありますが、つけているだけではお金は貯まりませんよね。まずは、予算にとってみましょう。


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