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育った頃に辞める若手のZ世代…。うんざりしてしまう採用活動・育成の愚痴と解決策

このnoteは、2024年6月12日にカケハシ スカイソリューションズのメールマガジンで配信されたコラムをもとに作成しています。
コラムは、企画開発事業部 事業部長の中野が執筆しました。

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こんにちは。カケハシ スカイソリューションズの中野と申します。
私は新卒で入社した14年目の社員で、現在はマーケティング部署の事業部長を任されております。
コラム冒頭から、昨今の採用活動や育成に対して少々愚痴のような内容になってしまいますが、まとめで解決への方向性をお伝えしますので、どうぞお付き合いください。

書き出しから辛口な内容で恐縮ですが、主にZ世代といわれる年代の若手の社員の方たち、育った頃に辞めすぎではないでしょうか。

私もこれまで様々な社員の育成を担当してきました。
目標設定や個に寄り添った育成計画の立案、共に喜び、時には叱り、飲みに連れていったり、一緒にお客さまのところへ謝りに行ったり…。
数々の出来事を経て、「やっと独り立ちできそうだな」と思った矢先、「中野さん、ちょっと会社を辞めて転職しようかと思いまして…。」
毎回言葉が出ません。

若手時代の赤字社員期間を過ぎ、独り立ちできるようになった時、現在よりも高い給与で転職することは可能かもしれません。
そのまま自社にいたら、新入社員時代に投資した赤字分を回収しなければならず、すぐに給与を上げられないことも確かです。
さらに30代が見えてくる頃には、自社にしかわからないことへの不安を感じやすく、新しいキャリアに憧れて、挑戦したくなる気持ちもわかります。

それでも…。
戦力外だった若手時代に多くの工数やお金をかけて面倒を見てくれた会社に対して、黒字社員としてしばらく恩返ししようという気持ちはないのでしょうか。
採用して、育成して、辞めて、採用して、育成して、辞めて。
この繰り返しは、まるでザルで水をすくい続けているようです。
何のために採用したのかわからず、うんざりした気持ちにすらなってしまいます。

と、このように溜まっていたことを吐き出してみたのですが、共感していただけた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

このままコラムを終えてしまうと、何の学びも気づきもないものになってしまいますので、ここからは少し冷静になってZ世代に寄り添いつつ、解決策について模索したいと思います。

終身雇用制が終わりを迎えたVUCAの時代、「自分のキャリアの責任は自分にある」という価値観が強まっていることは言うまでもありません。
自分のキャリアをどう積み上げていくか。その判断を迫られるZ世代のプレッシャーは、きっと他の世代よりも重くのしかかっていることでしょう。
ましてや20代に身につけたスキルや経験で、その後のキャリアが決まってしまうと言っても過言ではないほど、若い時期は大事な期間です。
加えて、若い時期を逃すと、年々転職しにくくなる傾向にあるのも事実です。

このような中、自分の興味関心にマッチした求人広告が毎日のようにスマホの画面に表示される。
さらに転職サイト、転職エージェントなどのサービスは洗練されて、便利になる一方。
加えて退職代行サービスも登場し、数年前よりもはるかに退職や転職がしやすい時代になっています。

このような状況を踏まえると、「Z世代は育った頃に辞めてしまう」と愚痴を言って嘆くことは、そもそもナンセンスで時代錯誤なのかもしれません。

また、社員が退職したと言っても関係値がバッサリと切れてしまう訳でもありません。
スマホ一つでお互いの近況がわかり、つながることができますし、培った人間関係がその後も継続するケースは多分にあります。

弊社でも退職後に副業として業務委託で働いてくれている社員がおりますし、一度退職し、別の会社で働いたものの自社へ戻ってくる、いわゆるアルムナイ採用が実現することも少なくありません。このような動きも多様な働き方が浸透した賜物だと言えます。
ただし、その後のつながりを持っている社員に共通しているのは、いずれも「円満に退社をしている」という点です。

上記のことから、Z世代を中心とする若手社員が、育った頃に辞めるのは当たり前の現象として受け入れること、一人ひとりのキャリアを応援するスタンスで、できる限りネガティブな離職を防ぎ、中長期的によいつながりを持ち続けることの方がメリットは大きく、今の時代に即しています。

このように考えると、採用活動も「運命の人探し」のような重い活動ではなくなり、「育てたのだから恩返ししてほしい」と恩着せがましく思わずに済みます。結果的にZ世代にとっても、会社にとっても、長期的にWIN-WINの関係を構築できるのではないでしょうか。

私自身もつい愚痴を言いたくなることもありますし、コラムを読んで共感された方もいらっしゃるかと思います。

しかし、一方的に既存の価値観を押しつけるのではなく、一度立ち止まり、改めて現在の時代背景を理解した上で、採用・教育・定着について、自社の方針を再定義してみてはいかがでしょうか。

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