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Z世代は承認欲求が強いってホント?承認欲求の裏に秘められた真意とは

このnoteは、2024年5月22日にカケハシスカイソリューションズのメールマガジンで配信されたコラムをもとに作成しています。
コラムは、クライアントサクセス第2事業部マネジャーの山田が執筆しました。

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ここ数年人事担当者の方からよくお聞きする「Z世代の承認欲求の高さ」。
最近は「Z世代とひとくくりに見てほしくない!」という若手社員側の声も多分にありますが、それでも多くの企業様から「最近の新入社員は承認欲求ばかり強くて困る」「褒めてほしいと言われるけどあまり甘やかしたくない」といった育成のお悩みをいただきます。

ここで改めて問いたいのは、本当にZ世代は承認欲求が強いのでしょうか?
強いとしたら、なぜこの世代が特筆してそのような特徴を持っているのでしょうか?
今回は、「Z世代は承認欲求が強いのか否か?」について考えていきたいと思います。

「Z世代は承認欲求が強い」と言われるようになった時代背景

これはニュースでもよく扱われているので皆様もすでにご存知かと思いますが、“競争社会”から“共創社会”へのパラダイムシフトが大きな要因として挙げられます。
例えば、学校の運動会ではかけっこの順位をつけない、騎馬戦のかわりにみんなで協力するダンスを実施するなど、わかりやすく学校教育の変化が起きています。
このような時代を生きてきたZ世代は、勝敗や他者との優劣への関心は希薄となり、「自分らしく頑張ることが大事」という価値観が形成されています。

一方で社会人になると、ある程度明確な“成果”が求められます。
例えば営業職であれば定量的な目標が与えられることが多いかと思いますが、目標に達成していない社員には当然指導がおこなわれます。
しかし、本人にとってみれば「目標には到達していないけれど、自分なりには頑張っているので認めてほしい、褒めてほしい」という状態になるわけです。

明確な成果が可視化されず、周りからも強要されてこなかった学生時代から、いきなり成果を求める環境に身を置く、このちぐはぐさが、結果として先輩社員からは「Z世代は承認欲求が強い」と言われてしまう背景なのではないかと思います。

本当に承認欲求が強いだけなのか?

以上のことから、Z世代はわかりやすい成果だけではなく、自分の行動を認めてほしいという欲求があり、一定の承認欲求があると言えます。
弊社カケハシ スカイソリューションズでも24年度新入社員を対象に意識調査をおこなったところ、下記のような回答が得られました。

※出典 2024年新入社員意識調査まとめ
(カケハシ スカイソリューションズ主催 新入社員研修参加者368名)

関わる上司先輩には「よいところがあれば褒めてほしい」という欲求が強いことがわかります。

しかし、「褒めてほしい=承認欲求が強い」だけなのでしょうか?
最近承認欲求にまつわるお悩みと同じくらい聞かれるのが、「Z世代の積極性」についてです。

例えば、先月4月に実施した24年度入社時研修では、「『積極的に発言・行動しよう』と伝えても、なかなか実行してくれない」というお悩みが多く出てきました。
研修では「積極的に発言・行動することが1つの成果」という、わかりやすい指標を講師側が伝えているはずで、そこにテクニカルなスキルは必要ありません。
全体の場で手を挙げ、発言する。
それだけで承認欲求は満たされるはずなのに、実践に移さない人が多数いるのはなぜなのでしょうか。

ここには、承認欲求とは別の気持ちが働いていると考えられます。

承認欲求の裏にある『自己効力感』

『自己効力感』という言葉を聞いたことがある方も多いかと思いますが、これは「自分ならできる」「きっとうまく進めることができる」と自らが思える認知状態のことです。
私は、Z世代はこの自己効力感が低いのではないかと考えています。
競争社会で生きてこなかった世代は、ビジネスの場における自分の言動が正しいのか?間違っているのか?の判断材料を持ち合わせていません。
だからこそ、「よいと思ったことは褒めてほしい」のです。

ここで大切なのは、上司先輩側が「褒めてほしい」のニュアンスを正しく理解することです。
「成果は出ていないけど、自分なりに頑張ったので褒めてほしい」ということではなく、「自分の今の言動は正しかった、よかったと思うなら褒めてほしい」というニュアンスだと捉えていただきたいのです。

メンバーの『自己効力感』を高めていくのは現代の育成におけるスキルの一つ

Z世代は一定の承認欲求を持っていますが、その裏には自己効力感を高めていきたいという真意が込められています。
このような特徴は“善し悪し”ではなく、時代の変化によるシンプルな“違い”です。
それを理解し、メンバーの自己効力感を育んでいくことは現代の育成におけるスキルの一つだと言えるでしょう。
承認欲求を満たしてあげるためではなく、自己効力感を高めるために褒める。
そんな風に見方を変えていただくと、目の前のメンバーとの関わり方が
少し変わってくるのではないでしょうか。

カケハシ スカイソリューションズでは3時間で本格的な育成スキルが身につく、OJTトレーナー向けの研修を実施しています。
少しでもご興味をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にご参加ください。

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