見出し画像

「トレーナーに頼り切り」のOJTから、卒業しませんか。

このnoteは、2023年11月22日にカケハシスカイソリューションズのメールマガジンで配信されたコラムをもとに作成しています。
コラムは、教育研修部マネジャーの渡邉が執筆しました。

◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□

「なかなか若手社員が定着しない」「育成体制を見直したい」といったご相談を最近よくいただきます。若手社員が定着する環境づくりとして、計画的なOn-the-Job Training(OJT)の実施方法を見直しているという声は多く、厚生労働省より公表されている「能力開発基本調査(令和3年度)」によると、「正社員または正社員以外に対して計画的なOJTを実施した」と回答した事業所は61.8%にのぼり、およそ半数以上の企業でこのような動きがみられます。(参考:厚生労働省「能力開発基本調査(令和3年度)」)

OJTにおいてはトレーナーの役割が重要であり、特に若手で活躍している社員をOJTトレーナーとして起用することが、トレーナー本人やトレーニングを受ける新入社員の成長促進の鍵と言えます。一方で、そのようなOJT体制には問題も潜んでいます。

OJTトレーナーの役割は、いわゆるハイパフォーマーな社員に集約されがちです。しかし、真摯で頼りがいのある社員ほど、任された仕事に真剣に取り組む傾向にあるため、トレーナー業務が大きな負荷となり、結果として本業に影響が出たり、効果的なトレーニングが難しくなったりすることがよくあります。当然この体制ではトレーナーは疲弊してしまいますから、長くは続かないでしょう。計画的なOJTを実現するためには、持続可能な体制づくりが必要不可欠なのです。

このことをふまえ、私たちが実施している「OJTトレーナー研修」では、OJTトレーナーとしてのスキルアップだけでなく「1対N体制」を作ることの重要性を必ずお伝えするようにしています。「1対N体制」とは、1人の若手社員の育成を1人のトレーナーが集中的に担うのではなく、複数のメンバーを巻き込みながら、指導・サポート・フォローをおこなうこと。「忙しいからOJTトレーナーに任せているのに・・・」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、チーム・組織全体で役割分担・協力しながら育成を担う方が、負担なく育成体制を継続させやすくなります。また、育成に巻き込む社員の得意分野や年次などを考慮し、必要に応じて最適な人に最適なフォローを依頼することで、生産性の向上にもつながります。このように「社員の巻き込み方」を考えることも、OJTトレーナーの大切な役割なのです。

若手社員の育成には、経営層から現場の社員まで、組織全体の取り組みが必要です。そうすることで新入社員は安心して学び、成長していく環境が生み出されるのだと私は思います。

育成体制強化に向けて、OJTトレーナーの役割をもう一度見直してみませんか?

◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□

▼1万人以上の経営者や人事が登録している弊社発行のメールマガジン「KAKEHASHI SKY NEWS」では現役コンサルタントが人材・組織戦略の最新トレンドや人事力アップのコラムを執筆・無料配信しています。

▼人事が採用活動や研修など組織づくりのノウハウやトレンドを無料で学べる学習プラットフォームHR学校はこちら

▼無料でダウンロードできる人事向けのお役立ち資料集はこちら


いいなと思ったら応援しよう!