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【詩】序の詩

ここに散った 言葉の徒然は
海棠に零れた 花のひとひらです
ここに散った 言葉の徒然は
石炭に弾けた 火花の瞬きです

ここに 僕の願いは
ひとつのナトリウム灯が
宵に仄めく 光束を垂らして
昏い道を 染めていくこと

ここに 僕の願いは
ひとつの萎れた草花が
生きた悲しみを 優しく吸って
良い空気が 満ちること

灯は陰り ただ冷たい空気と
春の香りばかりを 求めすぎる
しかし それは必然のように
季節の懐に見た ひとつの循環

転がる空が 優しく歌いながら
遠くに見つめる 星々の
ひときわ赤い 矮星が 灯るように・・・

ここに散った 言葉の徒然は
海棠に零れた 花のひとひらです
ここに散った 言葉の徒然は
石炭に弾けた 火花の瞬きです

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