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【税金Q&A_3】源泉っていったい何なの?

Q
デザイン事務所で働いています。空いた時間で、友達の会社のウェブデザインを手伝いました。報酬は5万円という話でしたが、会社宛に請求書を出すにあたり、源泉を引くよう指示されました。そもそも源泉っていったい何なのでしょうか? ぜんぜん意味がわかりません。
A
源泉とは、正しくは「源泉徴収」という名称で、報酬が発生した時点で国が所得税を先取りする仕組みのことです。

「源泉徴収」とは、文字どおり、(お金が生じる)みなもとから、(税金を)取るという意味です。例えて言えば、富士山の雪解け水が流れ出る源流までさかのぼって、おいしい水をくむようなイメージですね。つまり、「源泉徴収」とは、税金を取りやすい最初の段階(報酬が発生した時点)で、国が先取りしてしまおうという制度なのです。

後払い、つまり、会社が報酬を全額払った後に、国が皆さんから税金を取ろうとしても、皆さんが全部使ってしまっていたら、国は取り損ねてしまいますね。源泉徴収制度は、国が皆さんから上手に税金を取るために考えた仕組みで、取る側としては賢い方法と言えます。

言いかえれば、本来あなたが「個人」として国に納めるべき所得税を、報酬を払う側の「会社」があらかじめ天引きして、あなたの代わりに国に納める仕組みを言います。ちなみに会社が天引きした所得税のことを「源泉所得税」と言います。

源泉徴収のイメージ

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「源泉徴収」するのは、会社の義務とされています。義務とされている以上、源泉徴収しないと「会社」が税務署からペナルティを受けます。一方で、あなたは報酬をもらう側なので、何もする必要はありません。あなたがもらう報酬(額面、総額)から、約1割が税金として天引きされて、残った約9割が手取りとして振り込まれるのです。

源泉徴収の税率は、正確には10・21%です。以前は10 %でわかりやすかったのですが、東日本大震災の後から「復興特別所得税」として、0・21%が追加で徴収されています(令和19年まで)。なお、同じ人に対して1回に支払われる報酬が100万円を超えると、100万円を超えた部分については20・42%と税率が2倍となります。

100万円を超えるような高額な報酬をもらったときは、高い税率で天引きされることを覚えておきましょう。

▼出典
令和版 駆け出しクリエイターのためのお金と確定申告Q&A
(桑原清幸・玄光社)
キャラクターデザイン=山内庸資


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