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【開業するために必要なこと4】屋号ってどう決めるの?

Question
「屋号」という単語をよく聞きますが、実際には何を指すのかよくわかりません。屋号とは何か教えてください。また、せっかく独立するなら、カッコいい屋号をつけたいのですが、屋号作成にもルールはありますか?
Answer
「屋号」は個人名以外で仕事をするときに使う名称です。個人事業主の「屋号」には制約がなく自由に決められます。ただし、有名な会社名やブランド名と同一・類似していると、後で使用を差し止められるなど、問題になるリスクがあります。

「屋号」とは、個人事業主が個人名以外で仕事をするときに使う名称です。「屋号」を使わずに、個人名で仕事をしても全く構いません。使うかどうかは各自の自由です。

会社の場合は、屋号ではなく、「商号」といいます。「商号」は、会社設立の際に登記が必要となります。つまり、会社名として公に登録されるので、もし商号を変更するとなると、登記の変更や、官公庁への届出等など、さまざまな手続が必要になります。

一方で、個人事業主の屋号は、もっと気楽に考えてもいいのです。屋号は、税務署に最初に提出する開業届には記入して提出しますが、その後で他の屋号に変更しても、その年の確定申告書に新しい屋号を書く程度で済み、正式な変更手続は不要です。

したがって、好きなタイミングで変更することができます。ただし、銀行の口座に屋号を入れていたり、小規模企業共済に加入している場合には、変更の届出をする必要がありますので、気を付けましょう。

このように、自由に決められる「屋号」ですが、有名な会社名やブランド名と同一または類似の名称だったり、先に商標登録されている名称を使っていたりすると、不正競争防止法という法律に違反している、または商標権の侵害だとして、相手の会社から、屋号の使用を差し止められるリスクがあります。

このようなリスクを避けるためには、屋号を考えるときに、あらかじめウェブで検索して、既に使われていないかどうかを確認したほうがいいでしょう。これから自分のウェブサイトを作ることを考えると、インターネットのドメイン名も既に使われていないかどうかも確認しておきたいところです。

もし、あなたが素晴らしい屋号を思いついたとしたら、将来、会社名として使うかもしれませんし、自分のブランドとして広く使われる可能性もあります。屋号を決める前に、出願中や登録済の商標を簡単に検索できる「特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)」というウェブサイトがあるので、事前に類似のものがないかどうか確認するといいでしょう。

さらに、この屋号で本格的に事業を展開するつもりでしたら、費用がかかりますが、早めに商標登録してしまうことも一案です。
また、将来、会社の商号としても使うとしたら、登記上使えない文字があるので、注意しましょう。アルファベットは大文字も小文字もOKですし、記号は「&」「, 」「–」「. 」「・」「’」の6つは使えますが、これら以外の「#」「!」「@」などの記号や「ⅠⅡⅢ」「ⅰⅱⅲ」のようなローマ数字は使えません。

▼出典
『駆け出しクリエイターのためのお金と独立準備Q&A』
(桑原清幸・玄光社)
キャラクターデザイン=山内庸資


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