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「フルイマチ」のおはなし

今日は前回にちょっとご紹介した「フルイマチ」の柄のお話をしたいと思います。

kakapoのテキスタイルのデザインの多くは、風景、建築、そして、現象などから発想しています。

そして、フルイマチもその一つです。

2021-01-18 18.58のイメージ


昨年から海外に行くのも難しくなってしまいましたが、最後に海外に行ったのは2019年の11月、出張で台湾に10日間ほど滞在しました。
前半は、手紙社さん主宰、小器生活さん協力の台湾布博へ参加。
後半は、台湾で知る人ぞ知る放放堂さんの台南店での展示。

いつも、出張に行く時はできるだけ自由時間も作ることにしています。
この時も半分はお仕事、そして半分は自由な時間。

2021-01-18 18.58のイメージ (1)

その時に見て、感じた、台南の風景。

台南は台湾の中でも古くから発展した街の一つ。
そして、文化の中心地でもあったそうです。
今も芸術大学があり、アーティストやデザイナーもたくさん住んでいて、美術館や、現代アートのギャラリーもたくさんあって、とても刺激的な街でした。

2021-01-18 18.58のイメージ (3)

そして、何よりも惹かれたのは、古い建物や街並みも現在にも生き続けていると言うこと。

様々な時代の建物の残る路地には、200年近く前に作られた城壁や、廟があるかと思えば、突如現れる、モダンでクールなカフェやギャラリー。
そして素敵にリノベーションされたクリエーターたちのアトリエなど。

そして滞在していたのは、60年ほど前にたてられた小さな縫製工場をリノベーションしたホテル。

路地を歩き、そして、それぞれの時代に行き交っていた人々を想像し、その中にいるような妄想をする日々。
台南の路地は狭くて、グネグネと曲がっていて、はっきり言って常に迷子。

そして、突如、何百年も前にタイムスリップしたような感覚に。。。

ただ古いのでなく、びっくりするほどクールで、でも暖かい。
そして、至る所で、アートやデザインの力を感じながら。


昔ながらのデザインのタイルや窓の格子、瓦、煉瓦積み、どれをとって素敵すぎる!
そして、それらが違和感なく街の中に溶け込んで生き続けている。

そんな印象。

そしてその街並みを思い返しながらデザインしたのが「フルイマチ」と言う柄です。

本当ならば、これがその時見た風景!と写真をお見せしたいところなのですが・・・実は、この滞在中、カメラもスマホも持たずに旅をするという大失態を犯し、これらの風景は私の頭の中にのみ焼き付ております。

そして、この頭の中から引っ張り出して、デザインしたらこうなりました。

そして、デザイン初期のスケッチはこんな落書きです。

2021-01-18 16.42のイメージ

今回も、読んでくださってありがとうございます。
ごきげんよう。

テキスタイルデザイナー
カネイチヨウコ

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