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「家を出る日のために」~ママから私への戻り方~

題名を見て、離婚するの?と思われた方。
安心して下さい。今のところ円満です。
「家を出る日のために」というのは、あるカードゲームの名前です。
35歳最後の日にこのゲームに出会い、コロナ禍で仕事もなく、ただ何となくキッチンに立つだけの日々を過ごしていた私に【シンカ】をもたらしてくれました。

8年前、私は双子を出産しました。
そして、それから出会う人には『双子ちゃんのママ』と呼ばれるようになりました。大きな2人乗りベビーカーで双子を連れ歩く日々。おんぶと抱っこ、同時に授乳にW寝かしつけ。今考えると恐ろしい(笑)
何とか最低限の買い物や通院をこなし、周囲の助けもあって双子は育っていきましたが、0歳から3歳の頃は常に自分の中でも一人称がママなので、自分のことを聞かれてもすぐに答えられない瞬間や、問診票に自分の生年月日を書く時に西暦が思い出せないとか、簡単な質問なのに「あれ?私って何が好きだったっけ?」という場面が多々ありました。
それについて深く考える理由も時間もなく、少しずつ自分が減っているような感覚だけが残り、でも今は子どもが一番だから~と無視をして。
このママ感は悪いものではなく、正しいんだ!母性だ!と思いつつも何となく寂しいような。でも純粋に子どもは可愛くて、ママ大好きと言われるとママって最高モードに戻り、それを行ったり来たりしながら今に至ります。

そんな私に訪れた小さな【シンカ】は「家を出る日のために」に参加し、シンプルな設問に答えていく中で芽生えました。
「あなたならどうする?」と子どもとは関係ない場所で自分について聞かれる。そこで自分の考えや思いを話す。
何だろう、この感覚は。自分の中にママ感がない。仕事でもなく、気軽で自由な空間で、自然と私に戻っている。ちょっといいな~この時間と思えたのです。参加者のみなさんの考え方を聞くのもまた楽しく、ファシリテーターの先生のコメントが素敵だったり。ゲームを終えてからも設問について夫と話したり、子どもに聞いてみたり、他のカードゲームでは味わえない余韻を楽しむことができました。
また、今すぐに考えなきゃいけないこと以外のことを、誰かと話したり考える時間というのは、自分の内面を見つめ直すのに必要な時間なのでは?と感じました。

ゲームを体験して『双子ちゃんのママ』から私に戻るコツを掴んだような気がする今。
この小さな【シンカ】を無駄にしたくないという思いで作ったキッズ向けのプログラムについて次回は書けたらいいなと思います。

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