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センスとは足し算と引き算の見極めにあり!

友人が、毎日する化粧に悩んでいた。自分はメイクが下手だ。お化粧をしても綺麗にならないから、自分の顔が嫌になると。

その友人は、目が大きく、鼻も高く、メリハリのある派手な顔立ちをしている。側からみれば、羨ましい美貌の持主なのに、さらに美しくなろうとしてなれないなんて。

贅沢な悩みだ。

彼女は、自分でメイクをした顔に、違和感を感じているのだ。彼女曰く、「メイクをすればするほど野暮ったくなる気がする。」と。

そう打ち明けられて、私ははじめて、マジマジと彼女のメイクされた顔を見てみる。毎日見ている彼女の顔が、彼女なので、特に違和感を感じることはなかった。感じなかったけど、悩みの原因をふまえて見てみると、なるほどと思うことがあった。

彼女のメイクは、足し算メイクなのだ。

眉を描き、アイラインとアイシャドウを塗り、チークにリップと・・。世間一般の定番メイクを忠実に再現していた。

私は一つだけアドバイスをした。
「アイランを引くのをやめてみたら?」と。

彼女の大きくパッチリした目はよく動き、とても印象的だ。まつ毛も長く、すでに存在感があるのに、さらにアイラインを引いたことで人工的に感じるのだ。

次の日以降、彼女のメイクからアイラインはなくなった。どこか垢抜けた、爽やかな印象になったと感じたのは、私だけだろうか。

彼女の潔さに、私は美意識へのセンスを感じた。


センスの良い人は、捨てることに躊躇しない。

「パティスリー界のピカソ」といわれている、フランスのパティシエ「ピエール・エルメ」。彼は新作のデザインを考えるとき、最初、とにかく盛りまくる。そして次に、いらないものを削ぎ落としていくそうだ。

これも、センスを磨くヒントになると思う。プロは、なにが必要で、なにが不必要なのか、ギリギリの境界線を見極めていくのだろう。

そして最終的にたどり着くのは、シンプルな世界だ。シンプルとは、捨てる、手放すという勇気のある行為をした結果、手に入れられるアート。余分なものが一切ないデザインは、いつまでも見ていられるものだ。


話はメイクに戻るが、年齢を重ねるとどうしても悩まされる、シミやシワ。これは、どう解釈するか?

このマイナス要素を毎朝毎朝、コンシーラーで消して消して、消しまくる〜。以前の私はそうだった。

だけどある日、メイクを仕事にしている人に言われたのだ。「隠そうとすると余計に目立つよ。」と・・・

気にするあまり、あつく塗られたコンシーラーはかえって浮いて見えていたのだ。人のことはわかっても、自分のこととなると気づけない。

年齢を重ねると、多かれ少なかれ誰にでも表れる、新しいパーツ。引き算ではなく、足し算として迎え入れる、大らかさを持ちたいものだ。

その大らかさも、センスに大きく影響する要因の一つだと思う。

センスとは、生き方そのものだから・・・

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