業務コミュニケーションの4象限とアプローチ
はじめに、僕はリモートでのプロジェクトで、こんなことをしています。
▼リモートプロジェクトでの業務内容
- コミュニケーションフローづくり
- 自立したギルド集団から複雑なアプリ開発プロジェクト
- OJT(教育)が必要な組織
- ツール導入から運用支援まで
- ZOOM、Slack、Notion、Google Drive、、、
- 業務効率化するツールを独自開発支援
- 都合の良いツールがないときは独自に要件まとめて開発
- 必要に応じてオペレーションの見直し
前回はリモートワークで、プロジェクトをするときのコミュニケーションフローをどう設計するかを書きました。
今回は、コミュニケーションフローの見直しをする際に、どういう組織や業務のときに、どうアプローチをするかを紹介します。
業務コミュニケーションの4象限
結論から言うと、「人材の連携度合い」と「コミュニケーション内容の複雑性の高低」にわけてアプローチを検討します。
「人材の連携度合い」が高い場合は、専用ツールの導入を検討します。「複雑性」が高い場合は、目的や権限移譲など仕組みの設計をします。逆に低い場合は、自動化・効率化を検討します。
この分類は、組織形態やプロジェクトで分けることもありますし、業務単位でわけることもあります。
この「人材の連携度合い」と「複雑性」という考え方は、「THE TEAM 5つの法則(著)麻野耕司 」にある「チームの4タイプ」を参考にしています。チームづくりにも参考になりますので、読まれてない方はぜひ読んでみてください。
図:業務コミュニケーションの4象限
複雑性が低い業務のコミュニケーションは、自動化する
複雑性が低い業務のコミュニケーションは、自動化を検討します。
例えば、経理処理などの依頼、備品購買申請などのバックオフィス業務、他にも別部署の人に数値の更新を依頼する。といった繰り返し行われる定形業務などが該当します。
この象限でのケースでは、コミュニケーションの内容は単調なものが多く、あるルールに則って回答することができれば、自動化できるものがあります。
こういうケースでは、Slackのワークフローや、Zapier などを使えば、ほぼ自動で対応することが可能になります。また、Zapier などを使えば、trello や Spreadsheet の更新情報を取得して、Slackへ通知するなども可能になります。
複雑性が高い業務のコミュニケーションは、仕組みを変える
複雑性が高い業務のコミュニケーションは、仕組みから整理ができないかを検討します。
例えば、カスタマーサポート(以下、CS)が、お客様からの補填要望の対応をするとします。その場合、CS担当者は、該当するプロダクトチームに事実確認を行います。その後、回答を得られた場合は、プロダクトチーム、CSのマネジャーと確認したのち、補填と謝罪文面を送付します。場合によっては、補填内容によっては、管理部門への確認などもあるかもしれません。
この象限の場合、リアルのオフィスに全員がいて、すぐに確認が取れる状況であれば、個別の事案について、都度コミュニケーションをとれれば、うまく回っていたかもしれません。しかし、リモートワークではすぐに確認がとれない上に、個別案件などの非定形の内容を伝達することに高いコストがかかることになります。
そういったケースへの対処は、最初からCSの担当者に、初動の対応方法を決めておけば解決するケースがあります。
CS担当者は、補填要望されているお客様のデータをチェックし、可能な範囲での事実確認ができれば、◯円までは、担当者で判断する。としておけば、リスクをコントロールしつつ、コミュニケーションの数を減らすことができます。
つまり、問題はコミュニケーションをどうするという以前の部分からはいって解決することになります。
人材連携度が高い場合は、コミュニケーションを切り出す
人材連携度が高い業務のコミュニケーションは、専用ツールなどで該当部分を切り出せないかを検討します。
例えば、アプリ開発の場合は、ひとつの機能を作る際に、ディレクター、エンジニア、デザイナーなどの関係者と連携が必要になります。
この象限の場合は、Slackなどコミュニケーションツールを活用してしまうと、他のコミュニケーションに割り込まれたり、関係ないやりとりまでチェックしてしまうために、利用者側の負荷がかかることになります。
こういったケースへの対処は、Trelloや Asana などのプロジェクト管理ツールをつかうことで、該当するタスク毎にコミュニケーションをとることで、自分に関係のあるタスクのみチェックすることができるようになり、他メンバーも連携がしやすくなります。
まとめ
「コミュニケーションが課題だ」という話をよくお伺いします。しかし、コミュニケーションといった場合に、それはどれくらの頻度で、どのような内容なのか、連携する人はどれくらいいるのか、といった内容まで深められていないケースがほとんどだと思います。
まずは、業務コミュニケーションの4象限でわけてみて、どうあるべきかを考えるといいかもしれません。
前回の内容はこちらです。
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