縮む社会を考える(未来の地図帳(著)河合雅司)

Summary 

 ・ 日本の人口減少は避けられない(出産可能な女性の人工が減るから絶対) ・ 地方都市は人口減少
 ・高齢化が早い(都市部(東京圏)への流出)
 ・ 人口減少を前提としたエリアマネジメントが必要になり、狭いエリアに住民の自律性の高い拠点「王国」を作る必要がある

本書は地方に住んでいるものとして色々考えさせられる点が多かった。
著者の提案となる「第3部 それぞれの「王国」の作り方」が具体的な人口減少に対する著者のアンサーなので、地方に課題を感じている人はぜひ読んで頂きたい。で、一緒にどう行動すべきか話したい。

地方と企業

「王国」の事例として、イタリア・ソロメオ村を紹介しているが、クチネリ社という会社が移転してきてから、雇用を生み出し、ものづくりの学校を設立し、劇場・サッカー場などもあり、仕事と暮らしが両立しており、こういう村作りを日本が目指すべき姿としている。

日本でも、今治タオルや鯖江メガネなどの地域と産業が密接になっている部分が産業として、地域住民に住み続けてもらえる形になれば目指す形になるだろうか。

また著者は、徳島県神山町のようにのように、特色ある集積地とすることはどうかと提案している。たとえば、神山町はIT系のサテライトオフィスだが、アーティストばかりが集まる場所でも、山登りやサーファー愛好家が集まることもできるのではないかという提案をしている。たしかに、1企業では特色がでなくとも、街全体として集積地にすることで、ファンを集めることができる可能性があると感じた。

自律性の高い拠点

これから高齢者比率が高くなっていくなかで、高齢者への支援が難しくなていくことは間違いない。また人口の減少により各自治体が提供しているサービスも小さくなっていくことも予想される。自治体の職員がいなくて、自治体が破綻という話もあるかもしれない。

そうなったときに、いかに住民同士で助け合う仕組みや、助け合いやすいように密集して住んでおくというのは重要になってくる。

また日本の事例として、香川県高松市の「丸亀町商店街」を紹介しているが、商店街を生活に必要な機能を充実させ、さらに商店街の上部を居住スペースにし、「住むことのできる商店街」を紹介している。これはまさに小さな「王国」になっていて、そこに商店街上部に住む高齢者は買い物をしやすく、密集しているので支援もしやすく自律性の高い拠点になっている。

はじめて聞いたので、調べてみたが、色々記事も出ているので、参考までに。

・参考記事)商店街を再生 「消費の場」から「生活の場」への発想転換(https://www.projectdesign.jp/201503/pn-kagawa/001997.php)

・参考記事)高松丸亀町商店街 2019.04 新旧が融合した最先端の商店街!(https://ab-hiroshima.com/201904takamatsu)

本日の1枚(過去のセミナー資料の使いまわしですが、、)

アウトプット2.001

今回の話に近い過去の記事



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