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みんなが ちょっとずつ しあわせになる フライパン

新型コロナウイルス(COVID-19)収束の目処もなかなか立たない日々が続いています。
感染された方の一日も早いご回復を祈るとともに、現実問題として経済の早期の復調を願わずにはいられません。

観光、飲食業界の皆さんは特に大変だと思いますが、程度の差こそあれ、島根県をはじめ全国でものつくりを生業とする仲間たちも例外ではなく、いま大変厳しい状況に置かれています。うちの工房も、主な販売先(全国大手百貨店、旅館、小売店等)が軒並み自粛休業となる中、大幅な受注減となっています。この先もなかなか見通しが立ちません。
ただ、展示会がなくなったことにより制作の時間は取れるようになりました。
だからというわけでもありませんが、10年以上前からずっとお客様からのリクエストがありながら、これまで手が空かないことを理由に先延ばししてきた作品の制作に取り掛かることができました。
(試行錯誤を繰り返し、ようやく納得できるものが完成しました。) 
それが、鍛鉄のフライパンです。

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試しに実際に自分で使ってみると、手前味噌ですが本当に料理がおいしくできて、なによりも道具としての愛着がわきました。そしてせっかくなら手入れにもこだわりたいという気持ちも生まれました。

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幸せなことに、僕には全国各地に、そして地元島根に想いを同じくする若き職人さんの仲間がいます。その仲間とともに、このフライパンを楽しく、長く、愛着を持って使ってもらえる道具を作ったらどうだろう、と考えました。
例えば、鉄のフライパンのお手入れは束子(たわし)がぴったりとのこと。和歌山の国産天然棕櫚を使い、数多くの商品を手掛ける職人さんがすぐに思い浮かびました。 
https://takada1948.jp/

フライパンには鍋敷きが欲しい。一緒に活動している、シマネRプロダクトという島根のものつくりチームのメンバーがちょうどそれを作ってくれそうです。
http://yoshiharawoodworks.com/
https://kosukehamada.wixsite.com/site

ぶら下げる紐は、松江市八雲町で制作活動をする仲のいい革の作家さんがいます。
https://www.hibi-leather.com/

どうせなら、この一式を入れるバックを石州和紙の職人さんに作ってもらったらどうだろう。
http://www.nishida-washi.com/

想いとアイデアが次々とわいてきました。

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このセットにとりかかるまでは、コロナウイルスのせいで気持ちが落ち込んでいく日々でした。
でもいつまでも落ち込んでばかりじゃだめだ、何かできるはずだ、というわくわくした気持ちを奮い起こさせてくれたのです。

普段の日々であればオーダーにもなかなか応えることができず、ようやく完成してもフライパンだけを納品していたことでしょう。

今は、これまでの制作ラインナップと全く違うジャンルに挑戦できて、そしてその作品のために何人もの作り手がオリジナルの作品を作ってくれます。
なにより、このフライパンが売れることで今厳しい状況に置かれている職人さんにいくばくかの仕事とお金がまわります。
心を込めて作ったこのフライパンが、家族の食卓に笑顔をもたらしてくれるかもしれません。
長く使ってもらえばもらうほど、その道具たちも喜びます。

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いつの間にか、みんなが ちょっとずつ 笑顔になる  
そんなフライパンになりました。

これをお届けするときには、みんなの仕事の様子のわかるパンフレット、このフライパンで料理をしてほしい地元の美味しいお肉や野菜の紹介文も同封したいと思っています。
いつかそんなに遠くない未来に、ああ、あの時新しい作品、新しいつながり、新しい思いが生まれたんだよなぁ、と振り返るときが必ずくると思います。

厳しい状況が続いています。
けれど、そんな中でも前を向いて何かをしようとしている人たちがいるということを知っていただきたい、そんな想いを綴りました。この取り組みが誰かの背中を押す、誰かの気持ちのスイッチを入れてくれる、そんなお役に立てていただけましたら幸いです。

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革紐も、鍋敷きも好きな色、好きな形を選んでいただけるようにしました。より愛着をもって、かわいがってもらえるように。

お問合せなど下記ウェブサイトのお問合せフォームからお願いいたします。
https://kaji-hiromitsu.com/

また、BASEでのお取り扱いも始めております。よろしければそちらからお問い合わせくださいませ。

https://kajikobohiro.thebase.in/


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