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ベジ議連設立総会リポートその5

ベジ議連設立総会リポートその1

ベジ議連設立総会リポートその2

ベジ議連設立総会リポートその3

ベジ議連設立総会リポートその4

出席議員のコメント

 議連に参加している各議員(ベジ議連設立総会リポートその1の総会出席者にところ一覧があります)はそれぞれ所属する委員会と重なっていたため、入れ代わり立ち代わりでの参加でしたが、行政側出席者の発言が終わった時点で部屋にいた議員が次のようにコメントをしました。

山本博司参議院議員

 慶応の同窓で自由が丘のT'sレストランを経営されている方からこの議連ができるということでご紹介いただきまして、大事な問題でございますので、しっかり対応していきたいと思います。

 山本議員は、あの超有名なヴィーガンレストラン、T'sレストランの下川さんと同窓生なのですね。

宮地拓馬衆議院議員

 地元の鹿児島は畜産県ですので、牛も豚も鶏も大変盛んです。がしかし、一方でインバウンドで外国人観光客が多数訪れておられまして、ヴィーガンやハラルの要望が鹿児島においても日に日に高まっていると感じております。今日、すべてのお話を聞けなかったは痛恨の極みですが、しっかりフォローして参りたいと思います。

 畜産が盛んな鹿児島でもヴィーガン対応のニーズが高まっていること、またそれを後押ししようという議員の存在を心強く思います。

川田龍平参議院議員

 健康と特に食の安全の問題からヴィーガンとベジタリアンの問題に気をつけていきたいと思っています。妻が安倍総理と同じ病気でお腹が悪くなってしまったのですが、グルテンフリーにしたり、乳製品を摂らない方が調子がいいということで、朝もスムージーを飲むなどかなり気をつけています。ただ、皆さんおっしゃったように、外国と違い、日本のレストランではなかなか選択肢がないということで、ぜひ(食の選択肢を増やすということを)進められるようにと思っています。
 ベジタリアンでも癌になる人がいるということですので、農薬の問題や食の安全についてはしっかり取り組んでいきたいと思っています。農水委員会のときには海外に食材を売り込む上でもハラルをもっと表示して売り込んだらどうかということで提案をしてきましたが、ベジタリアン・ヴィーガンの人たちに対する食というものをもっと積極的に外に向けてもできないかと思っています。ぜひ皆さんからのご意見を取り入れてやっていきたいですし、環境省でも環境大臣に国際会議のときはステーキは食べないように(場内笑い)注意していただけたらと思っております。

 川田議員の「妻」はジャーナリストの堤未果さんです。私にもやはり消化器系の病気が原因でヴィーガンに近い食生活をしている知人がいますが、やむを得ない理由で食を制限しなければならないケースもあるということも忘れてはならないと思います。「食の安全」は、川田議員ならではの視点と言えるかもしれません。期待したいです。

堀越啓仁衆議院議員

 私は天台宗の僧侶ですので、修行中は精進料理を食べておりました。また、動物愛護や環境問題の観点から、以前よりミートフリーマンデーを実施しております。皆さんと同じ思いでこれからも取り組んでいきたいと思っております。

 日本の国会議員がミートフリーマンデーを実行しており、今回の議連にも加わっているということは、もっとアピールしていいのではないでしょうか。なかなかすごいことだと思います。

 続けて、ベジ弁当の食材の提供を行ったグリーンカルチャー株式会社代表取締役CEOの金田郷史さんから次のような発言がありました。

 我々も日夜開発をする中で、本物のお肉の味や食感やを出す工夫をしております。製品のクオリティも上がってきており、こういったものをベジタリアンの方だけではなく多くの方々にも食べていただけるような、ご満足いただけるクオリティで作って参りますので、ぜひともこういうものをベジタリアンでない方にも召し上がっていただきたいと希望しています。

 代替肉のターゲットは実は肉を食べる消費者という話を聞いたことがあります。おいしい代替肉があると、肉を食べる人もベジ・ヴィーガンも同じ料理を一緒に食べて「おいしいね」と楽しめますね。グリーンカルチャーのサイトにも当日のリポートがあります。

 最後に、発起人のひとりである松原議員が次のように挨拶しました。

 いくつかの課題があり、皆さんの中でもいろいろな議論があることは承知しています。担当がどの省庁になるのかはわかりませんが、今日のお話から取り入れたことを、おもてなしの精神をもって、議連の皆さんと一緒に取り組んでいこうと思います。
 日本に来た外国人の方が「どこに行って食べればいいかわからない」と困ったり、民間の情報源でどれが正しいのか迷ってしまうということはあってはいけないと認識しています。それぞれの基準があるのは承知していますが、日本に来た方々が困ったり、迷ったりしないよう、していかなければいけないと考えています。
 具体的なものとして、ガイドブックになるのか、方針になるのかはまだわかりません。ただ、インバウンドを増やすという観光庁の方針とも合致しているわけでありますし、農水省もこれまでハラルについては熱心にやってきたわけです。やはりヴィーガンやベジタリアンに関しても、規約の第二条にあるように、同様のことをやっていきたいと思っております。
「まず隗より始めよ」という言葉も出ましたが、河村先生や漆原先生のような重鎮がおられるわけですから(議連として働きかけ)、議員会館や農水省の食堂にベジ・ヴィーガンメニューがないということも含めて、意識を変えていかなければならないと思っております。
 今国会は12月9日までとなっており、延長する可能性もありますが、なんとかもう一回ぐらいこの問題に関して議論をして、おもてなしのできる日本をつくっていきたいと思っております。 

 漆原前衆議院議員が「今日(ベジ議連)発足となりましたが 国会の中でなんとか結論を出して一歩前進したいと思っております」と挨拶して、設立総会は終了しました。

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 国会議員というと、普段は遠い存在と感じがちですが、今回の設立総会を取材してみて、社会の仕組みを作っていくにあたってはやはり国会議員の役割というものがあるのだということを再確認しました。議連に参加している議員の顔ぶれも思った以上に多彩で、どのような議員が名を連ねているのかということは、もっと世間に知られてもいいのではないかと思います。政治的立場ということでは、私と意見を異にする議員もいますが、20年前のアメリカより遅れている日本のベジ・ヴィーガン状況を進展させていくためにベジ議連がどのような働きかけを行っていくのか、応援しつつ、これからも見ていくつもりです。


読んでいただいて、ありがとうございます!