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海外協力隊note

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JICA海外協力隊が執筆した記事を綴るマガジンです。
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記事一覧

98.チュニジアの野良犬事情③

(SNSでは毎日捨て犬・猫の養子縁組情報が飛び交う) 大使館から、狂犬病の注意喚起がありました。 近年、3-5名ほどで推移していた狂犬病の死者が、今年だけで既に4人になったとのこと。 由々しき事態です。 政府は、狂犬病ワクチンを野良犬にも無償で提供していますが、設備のない地方都市では巡回で来た時に利用するしなかく、一回の巡回で全ての野良犬に接種することは困難です。 加えて、接種は2-3年に1回必要(※日本は毎年接種義務)ということを加味すると、その後接種せず発症する犬

エルサルに来て9ヶ月、最近のこと

新しい隊次の到着予定連絡があり、自分がこの国に来て9ヶ月経過してることに気づいた。 到着3ヶ月程は殆ど自由には動かず周りを警戒しながら過ごしていたが、もう大分肩の力を抜いて生活できているように思う。 任地の日本人が増え、4人になったことも大きいかもしれない。 とはいえ、肩の力は抜いても、気は緩め過ぎずに生活していきたい。 ここまで活動関係の記事が殆ど「仕事がなくて詰んでる」といった内容だったが、それに比べると状況は年明けからだいぶ好転した。 これまでは配属先の誰かに協力を

97.赴任後に必要となったもの

(雲に浮かび上がる雲。この日は珍しく雷雨) 日本から必要なものは持ってきたつもりでしたが、こちらに来て新たに手放せなくなったものがあります。 ハンドクリームです。 元々乾燥肌なので気を付けているのですが、痒くもなく、アレルギー反応でもないのに何故か手が荒れています。 暫く不可解だったのですが、どうやら硬水が原因ということに気が付きました。 ミネラル分が豊富な硬水は、日本の軟水と比較して肌や髪にダメージを与えるようです。 幸い、任地でも200円ほどでハンドクリームが

96.イスラエルとの「因縁」

先日、イスラエルがシリアにあるイラン大使館を爆撃し、地域の緊張が一気に高まっている一件ですが、チュニジア人の中には「1985年の事件」を思い出した人が少なくなかったようです。 「木の脚作戦」 1985年10月1日に、イスラエルが当時チュニジアのハマム・シュットにあったPLO本部を爆撃し、パレスチナ人50名、チュニジア人18名が犠牲となった事件です。 同年、キプロスで発生したイスラエルへのテロに対する報復措置でしたが、PLOのアラファト議長(当時)は不在にしており無事でし

67:活動報告④「無謀すぎる挑戦とベナンの教育の闇」

 Bonjour!  まずはこちらをお読みください。 ○活動4クラス目 ・2024年4月12日〜30日 ・3年生:在籍137名+先生1人  なぜこのクラスで活動をしたかというと、人数的に子どもたちの学力が低いだろうなと考えたからです。  「無謀な挑戦だな」と思いましたが、「人数が多いと結果は出ない」という証明になると思い、活動することに決めました。  在籍者が137人もいるのに関わらず、最初のテストがなぜ83人しか受けなかったかというと…午後にこのテストを行ったので

95.春祭り()

(伝統衣装の子どもたち。公式より拝借) 週末は、町の中心部で春の祭りがありました。 ラマダンがあったため、時期が昨年とずれたようですが、周囲は「そういえばあったな」という反応でした😅 その関心度合いを表すかのように、出店と人出も年末に比べ控えめでした。 ラマダン後の祭り(イード・アル・フィトル)と時期が近かったため、エネルギーを既に使ってしまった印象です。 大型遊具で子どもたちが楽しそうに遊んでいるので良し、といったところでしょうか。 開催3日前にプログラムができ

追い込まれた国の方が伸びる

Muli bwanji. 青年海外協力隊のしょーたです。 ザンビアではすっかり雨季が終わりました。というかいつが雨季だったのかわからないくらい雨の無い雨季でした。 ザンビアは年に1回しか雨季が無いので、この1度のチャンスで1年分の食料を蓄える必要があります。 メイズ(とうもろこし)は粉末にして保存します。このおかげで彼らは年中オートマチックにシマ(粉末状のメイズに水を加えて煮て練ったもの)を食べます。 環境は家畜も同じで、乾季には草がすっかり枯れ果ててエサがなくなる

94.共に歩んで半世紀🇯🇵🇹🇳

JICAのチュニジア事業は、2025年に50周年を迎えます。 それに先立ち、同国での事業を紹介する動画を公開しています。 ダムや橋のように、インフラとして末長く残るものをメインで紹介しています。 節目の年に、ボランティアとして立ち会えるのも何かの縁を感じます。 半世紀の歩みは、決して平たんな道ではなかったと思います。 ボランティア事業に関しては、この15年ほどは ・2011年の革命時は首都退避、活動一時中断 ・2015年のバルドー博物館テロ(日本人も犠牲)後は派遣中止

66:無添加100%にこだわるベナンの職人

 Bonjour!  ベナンのパイナップルは世界一甘いと言われています。  一個30〜50円で購入できるため、冷凍してアイス代わりに毎日食べています。  そんな安くて甘いパイナップルでジュースを作っている男性と出会いました。  彼は2年前まで経済首都で料理人として働いていましたが、「地元ののんびりした暮らしに戻りたい」と自分の店を構えたそうです。  ジュースだけでなく、無添加のジャムやパームワイン等も作っています。  作っているところを見せてもらいました!  ベ

65:ベナンの絶対的貧困者と国際協力の世界で生きることを諦めた私

 Bonjour!  先日、とある地方都市の貧しい村に行く機会がありました。  ベナンは中心地以外は森?林?草?で囲われてることが多く、ガタガタ道を奥へ奥へ進むとポツリポツリと小さな村があります。  今回訪れた村は近くの村と比べても収入がかなり低く、その日暮らしの生活をしている人がたくさんいます。  村では5人の孫の面倒を見るおばあちゃんの話を聞きました。  おばあちゃんの義理の娘(孫たちのお母さん)は出産した際に亡くなってしまい、息子(孫たちのお父さん)は妻を亡く

93.日本食の試食会①

(柚子入りのつゆ) 以前からリクエストがあった、日本食の試食会を開きました。 チュニジアで入手できるものをまず同僚に試食してもらい、どういった反応か確認する意味もあります。 初回はそばにしたところ、色々と収穫がありました。 【試食会の感想】 ・皆、箸の扱いに四苦八苦。。チュニジアでは、欧米のように日本食が広がっていないため、箸に触れるところから日本文化の体験になる。 ※首都には寿司をはじめとした日本料理店がいくつもある。しかし、馴染みのない地方では「魚を生で食べるな

ラオスの行事

ラオスの行事【ピーマイ(お正月)】 何をやるのかと思いきや、とても面白いユニークな行事だったので紹介しよう! まずは準備は前日から。(笑) 風船膨らませたり掃除したり、しかし、準備は当日の朝も(笑) さすがラオス、予定の1時間くらいおしてからスタート。(笑) まずは伝統的なダンスから〜💃🕺 私はなぜかこの特等席に座らせてもらえて、紹介までされた😂 そしてクイズ大会〜。ラオスでは代表者しかさんかできないため、誰も聞いてない。 聞かせる工夫もしてなくて、解答とかも

小学校最後の研修

小学校での最後の研修を開いた! まだ後3ヶ月ちょいの活動があるけど、ラオスのお正月期間をあけたら、小学校の先生たちがみんな色々な国へ研修へ行っちゃうから 実質全員で集まれる最後の日だった。 実際、思いついたのは結構前だったけど、タイミングがつかめず、まだいっかと思ってたらラストの週に😅 イベントもあったからイベントが始まる前の放課後に予定していた研修。 私が寿司パーティーしたこともあり、全然その時間が取れず、もはや諦めていた。 水曜→研修予定 木曜日→お正月イベン

92.穏やかな時間

何度目か分からない、レッスンの約束→誰もいないのコンボを受け、手持ち無沙汰になったところで、同僚がお子さんと遊んでいる姿を発見しました。 「未来のC・ロナウドを相手している」 とのこと笑 ラマダン期間中と、明けてすぐの時期は来る青少年が少ないようで、週末とは思えないほど静かです。 特にこの日は、近郊のドゥッガ遺跡でコンサートがあったため、多くの人が出かけていました。 他に2名居る指導員も、”小休止”の状態ですが、特段困った様子はありません。 「来ないんだから仕方な