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第六話🧙‍♂️ 物凄い速さで駆け抜けた男

会見が終わって、ホールを出る。
私はお腹がすいていたので、
どこかで昼食をとることにした。


(何を食べよう…?)

外はけっこう蒸し暑い。
季節はまだまだ夏である。
私の額にはタラタラ汗が流れている。
私はサッとハンカチで自分の頭部を拭いた。


(頭頂がすごく熱くなっている…。)

私は日陰を探し、
なるべくその下を歩くことにした。


(この日差しは体に悪いぞ…💦)



私は食べたいものが決まっていたので、
ラーメン屋を探した。

夏なのになぜラーメン?…
と、疑問に思う人もいるかもしれないが、
私の目当ては熱々のラーメン…ではなく、
冷やし中華だ。

「冷やし中華始めました」と書いた のぼりや看板を見ると、私は元気が出てくる。

私は冷やし中華が好きすぎて、小学生時代の“書初め”で『冷やし中華』と書いて提出したことすらある。
冬休み、お正月なのに 冷やし中華?、、、と、
クラスの皆には笑われたが、
私はその時の空気が嫌ではなかった。



(しかし今日は暑い、、、暑すぎる、、、💦💦)

私の歩調は速くなる。


(早く!… 早く、冷やし中華が食べたい!!💦)



その時 私は“心の眼”を開いた。

そう、“心眼(しんがん)”である 。


私は冷やし中華が食べたい衝動で、
自分の意思で心眼を開くことができた。



心眼を使うと目の前が真っ暗になる。

そこに ぼんやりと白く、だけども赤い、
すらっとした縦長の“何か”が
ユラユラと揺れて見えてくる。

私はその“何か”をしっかりと記憶し、
目を開ける。

すると、心眼はとけるのだが、
その“何か”は、脳裏にしっかりと残されている。

私はその“何か”を頼りに足を進める。

歩幅はどんどん、大きく、
速くなっていく…。



(今日は熱い…。 頭頂部が熱い…。)


私は歩きながら、バッグに手を伸ばし、
水の入っていたペットボトルを取り出し、
そのすべてを 頭の上にぶっかけた。



私の歩調は、さらに速くなった。




つづく🧙‍♂️