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師走ですね。

師走ですね。

行動経済学の立役者ダニエル・カーネマン先生の教えに従い、とりあえずこの月を良き記憶で埋め尽くしたいものです。 

名著『ファスト&スロー』に「ピーク・エンドの法則」と「持続時間の無視」という二つの心理学的特性が紹介されています。 

「ピーク・エンドの法則」というのは、「ある経験についての記憶に基づく自己評価は、①ピーク時と②終了時の苦痛の平均でほとんど決まる」というものです。 

例えば、映画なら①一番印象的だった場面および②エンドロールが流れている時、その二つの時点での印象や引き起こされた感情価によって、その映画についての評価がほぼ確定し、記憶に固定される。途中経過はほぼ無関係なものー言わばノイズとしてメモリーから削除されちゃうし(持続時間の無視)、ラストの印象が冴えなかったら「冴えない映画だった」と脳が勝手に断じてしまう。 

逆に言えば、なんてことない映画であってもラストの印象を格段に上げることで、「結構悪くない作品だった」と感情的評価を上書きすることができる。客観性なんてものはほぼほぼ寄与しない。 

(これが良いことかどうかは別として。都合よく記憶を上書きすることで成長・変化が阻害されるとも言えますから...) 

「終わりよければ全て良し」というのは、心理学的に真だと言うことです。 

今年最後の1ヶ月。今年のピークを持って来れれば最高ですが、せめて良い感じにエンドロールを編集したいなと思う次第。 

良き師走を。

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