カウンセラーカフェをはじめる
広島平和記念公園から徒歩2分ほどの雑居ビル2階ー元は雀荘だったらしいーに、とてもステキにおもしろい場所がある。
Social Book Cafeハチドリ舎 というカフェだ。
平和・福祉・人権といった「社会問題解決」にまつわるイベントを月30本以上という桁違いのバリエーションとボリュームで、けれど一貫して軽やかなスタンスで開催しつづけている、チョット普通じゃないピースな空間だ。
店主は安彦恵里香さん。外見のキュートさからは想像できないくらいパワフルで、でも繊細な愛に溢れたステキな人だ。大好きだ。
「社会問題についてまじめに語ると周りにひかれてしまうという寂しくも哀しい思いを何度も経験してきた。平和について、政治について、さまざまな社会問題について、まじめに自分ごととして語ってもひかれることがない場所、思い切り語り合ったり、一緒にアクションを起こしたりできる場所をつくりたい」
そんな思いから、クラウドファンディングや家族・友人・知人の協力をフル活用し、2017年7月にこのカフェをオープンさせた。スゲェ。
そこに集まる人たちもホントにバリエーション豊か。広島のみならず各地から訪れる多様な人々に出会いのきっかけを提供し、それぞれの小さな思いをアクションへとつなげる、ハブ的な機能を果たす場所にもなっている。
詳しくは、以下の記事やホームページを参照してほしい。そして是非一度、お越しください。
食事も旨いよ。
https://sotokoto-online.jp/people/1175
http://hachidorisha.com
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予定していた仕事が半減し、どうしたものかと思いながら街中のカフェをさまよっていた2020年5月頃。以前にとあるイベントで訪れたことのあったハチドリ舎にフラリと立ち寄った。
安彦さんとの会話がどんな風に始まったのかは覚えていないのだけれど、精神科に勤務していたカウンセラーであること、最近病院を辞めてフリーになったこと、ほとんどの人はどんなに苦しい思いをしても精神科にはできるだけかかりたくないと思ってるし、カウンセリングなんて自分が受けるようなもんじゃないって、そこまで病んでないって思ってるし、ハードルはかなり高いものなんだってこと、なので、僕は悩み相談とかカウンセリングってもののハードルをぐっと下げて、誰でも気楽に、まだ軽い段階で、できれば遊び半分で使えるサービスにしたいと思ってるんだよね、みたいなことを話した。
安彦さんは安彦さんで、こんなカフェをやっているといろんなお客さんが来ること、中には結構ヘビーな悩みやストレスを抱える人がいること、そんな人たちの話を聴いてて「この言い方、この聴き方でよかったのかな」とフト不安になることがあるんだよね、みたいなことを話してくれた。
そんな流れの中から「カウンセラーカフェ」のアイデアがどちらともなく起ち上がった。
月一回、僕がカフェに常駐し、誰でも気軽にカウンセリングを受けれるイベントをやってみようということになった。予約は不要、料金はドリンク代+投げ銭制でやってみることにした。別に悩みがなくても、雑談でも構わない。「カウンセラーって何するの?」「どうやったらなれるの?」「心理学に興味あるんですけど」みたいな話でも全然OK。
翌6月に早速スタート。以降毎月開催し、2021年10月現在も続いている。
ホントにいろんな方にご利用いただき、回答してもらったアンケートからもたくさんの学びが得られる。
例えば、僕らの業界の人らが気にしてる「臨床心理士か、公認心理師か、産業カウンセラーか」みたいな資格の違いなんて、一般の方はほとんど気にしてない。てか、そんな区別なんて知らない。みんなまとめて「カウンセラーさん」だ。要は話をちゃんと聴いてくれさえすればOKなのだ。ぶっちゃけ、下手なカウンセラーと話すより、行きつけのスナックの酔いどれたママさんに向かってほぼ独言のようにクダを巻いてる方がよほど癒されるなんてことも、ままあるだろう。
9月からは「カウンセラーカフェ」終了後に、同じスペースで僕が企画したワークショップを毎月開催させてもらっている。いわば、アイデアの実験場だ。準備不十分でも自信なくてもとりあえずやってみて、参加者からフィードバックをもらい、修正をかける。複数のアイデアを試して、良さそうなものだけ残し、さらにブラッシュアップする。
そうやって、いくつかの割と自信を持って提供できるコンテンツをいくつか仕上げることができた。
ただただ、ありがたい。
このカフェで出会った方々とのご縁から、他の場所でイベントを開催する機会をいただいたり、ゲストとしてイベントに招いていただいたりと、活動範囲が一気に広がった。なにより友達が増えた。それも異業種の、これまでまったく関わりのなかったジャンルの方々ー新聞記者、映画監督、作家、本屋、アナウンサー、政治家、ミュージシャンなどなどーとつながりができた。
地方の情報誌にも活動を紹介する記事を掲載してもらえた。
ただただ、ありがたい。
病院の狭い一室でシコシコやってたら、こんな展開はなかったなー。そう思えるキッカケをくれた最大の恩人が、ハチドリ舎の安彦さんだったのです。
広島にお立ち寄りの際は、ハチドリ舎に是非お越しください。
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